「トモさん、私料理が下手なの。これじゃ婚活できないよね〜」
そんなことない、大丈夫だよ。
「女は料理上手じゃないと、家に帰ったら美味しい料理作って待ってくれる人がいいなぁ〜」
これは男だけじゃなく、働いてれば女だって思うさ。
昔は男と女の役割分担とかあったんだよな。
そう、僕たちの父さんや母さんの時代。
じゃあ昔のように家のものを作ったり直したり大工仕事したりする男がそんなにいるのか?
壊れたらその日の夜には新製品のカタログ観てニヤニヤしながら
「ねえ〜次、どれにするぅ〜?」
なんて聞いてきたりして。
そもそも「おれ、彼女の肉じゃがにコロッといっちゃったんだよな~」
なんて言う男は女性に対して母親を求めてるんだろうね。
君は彼のお母さんになりたいのか?
「好きこそものの上手なれ」
好きになれば上手になるよ。
好きじゃないのに無理矢理やっても上手にはならないよ。
「食べる」ってことは日常の習慣。
過度のダイエットや病気をしない限り毎日するね。
「美味しい」は幸せ。
その毎日することを幸せにできたら、今よりもっと幸せになれるような気がしませんか?
ひとりの時は仕事が忙しかったり他にやりたいことや優先する趣味や幸せがあるので食べるという幸せはプロの料理人に任せたり後回しをするね。
でも、いつか、君の側にいる人を幸せにする手段の一つとして料理を選んだらいつの間にかお料理上手になってるはずだよ。
失敗が怖い?
トモだって美容師になりたての頃はシャンプーの時、お客さんの背中まで洗ったり、シャワーのノズルが手から離れてシャンプールームに散水したりしたよ。
カットだって初めてお客さんに入ったときは緊張しすぎて自分の指先までカットしちゃったよ。
芯の固さが残ったキャベツの野菜炒め、醤油の味しかしない肉じゃが、出汁を入れ忘れた味噌汁。
「・・・どう?お・・美味しい?・・・」
折れた菜箸を後ろ手に隠した君の左手の中指にはバンドエイドが二巻き厚めに巻いてある。
グルメ本が何冊も転がる彼の部屋で。
「美味しいよ。うん、美味しい。」
それが幸せってもんじゃない?