「トモさん、今年の抱負は何ですか?」
とか、聞かれたりします。
まあ、けっこう頑張ってきましたよ。
こう見えても意外と素直な人間なんでね。
どっかの偉い人が
「人の2倍、早く出世したけりゃ、単純に2倍働けばいいんですよ。」
「家が貧乏だ、親がいない、学歴がない、金がないと言い訳する時間があればお金持ちで両親がいて学歴がある人の数倍頑張れば同じスタートラインには立てますよ。」
とか言ってたのを10代の頃に聞いて、その言葉を信じて頑張りましたよ。
仕事が終わって、みんな帰って一人だけ残って遅くまで練習しましたよ。
カットモデルをみんな週に2人入れればいいだけだったけど、4人入れましたよ。
おかげで仕事が終わったら毎晩渋谷とかでモデルハントしてましたよ。
友達がパンと牛乳を買ってきてくれて、まるで刑事の張り込みみたいでした。
年中無休の店で夏休みも有給を使っての交代制だったから、結局夏休みは取ったことがありません。
唯一、長く休める正月休みは、仕事の緊張から解放されていつも風邪を引いて熱を出して寝込んでましたよ。
もちろん、無遅刻、無欠勤でしたよ。
僕は弱い人間なので、熱が38度出て休んでしまうと、また38度出たら休むクセがついてしまうので、熱はシカトして仕事しましたよ。
だから今でも我が家には体温計が無いんですよ。
でも、不思議なもんでね。
店に出て、仕事に入るとなぜか元気になっちゃうんですよ。
逆にテンションが上がっちゃったりしてね。
だから、誰も心配してくれませんよ。
大変でしたよ。
これから「もう一度やれ」って言われたら二つ返事でお断りします。
行き当たりばったりだから良かったんですかね。
「目の前に壁があるから登る」
「目の前に河があるから渡る」
みたいな、まるで本能でやってきましたよ。
なんか苦労話みたいで、面白くないからこのへんでやめます。
でも、まあ、全て自分で選んでやったことなので、他人に強いられたことは何一つ無いので自分ではまったく苦労だと思ったことはないんですよ。
ただ、せっかく種を植えて、水をやって、育てて、収穫して、すぐさま種を植えて・・。
とせっかく収穫したものを食さずすぐに次に移るというなんとも貧乏性な生き方をしてきました。
僕だけじゃなく、そんな人、けっこう多いと思いますがどうですか?
でも、最近、ちょっと解ったんですよ。
「収穫した実を食べても、ちゃんと種だけ残せば食べちゃってもいい。」ってことを。
実まで植える必要はないんですよね。
美味しい実はそのとき食べないと腐ってしまうか、他の誰かに食べられちゃうんですね。
遺伝なんでしょうか、僕の母も他人のことばっかり気をやっていつも自分は貧乏くじを自分で選んで引いてました。
でも、僕はそんな母が大好きで誇りに思っています。
母は亡くなる2日前まで自分で自転車に乗って友達の家に遊びに行ってました。
病院にも自分の足で行って、その2日後に他界しました。
62才だったのであれだけ払い続けた年金もちょっとしかもらってません。
あの無駄遣いと言われる社会保険庁にも迷惑かけませんでした。
息子である僕にすら負担をかけずにこの世を去りました。
6月29日。
昨日、誕生日を迎えた僕の今年の抱負は
「幸せを噛みしめる」です。
美容師というサービス業に就き、人の何倍も頑張らなければと生きてきた自分に、本当は周りの人はとっても優しくしてくれて、幸せのボールをいつも投げてくれているのに、一生懸命になってたあまり、気づかなかった。
でも、
こんな僕の周りにはいつもたくさんの幸せがあって、その優しさの中にいたからこそ、僕は頑張れたんですね。
これからも、もっと、もっと、頑張るために、今年は幸せを噛みしめます。
Hanaのスタッフ、友達、そして、大切なお客さん。
みなさん、本当にありがとうございます。
僕は幸せです。
【写真はお隣のToshiYoroizukaのトシさんがプレゼントしてくれるケーキです。もう一枚はミニパーティーをしたときに集まってくれた仲間達です。】