子供の頃、欲しい物がたくさんありました。
「ウィンカー付き自転車」なんか、毎日、学校帰りに自転車屋の前で飾ってあるのを眺めてました。
自転車屋のおじさんが
「見てみんさい」
ってウィンカーを点けてくれます。それだけでドキドキしました。
持ってる友達はみんな親に買って貰ってたんだけど、我が家はお金が無かったので、
5年生の時、親に頼み込んで新聞配達のバイトをさせてもらい、一番最初に買いました。
毎朝、毎朝、雨の日も風の日も眠たい頭にキックを入れて配ります。
途中、配達先が同じの牛乳配達のお兄さんとナイショで新聞と牛乳を取っ替えっこします。
おかげで我が家は新聞と牛乳は買いませんでした。
アルバイトの経験を通して学ぶことはたくさんありました。
学校という守られた空間の中、お小遣いというなんら労働もせず与えられるお金と違い、働いて得るということは何物にも代え難い経験だと思います。
欲しい物を得るとき、人は努力します。
本当は手にした物よりも、その間頑張ってきた課程に意味があるのかも知れないと大人になって気づきました。
オモチャ屋の前で座り込んで泣き叫ぶ。
不満をぶつけて買って貰う。
「みんな持ってるんだから」
座り込むのもある意味努力なのかもしれませんが、いい経験とは言えないでしょうね。
人生を振り返ってみると、僕の人生、かなりのデコボコでした。
物事がスムーズに行く方がかえって気持ち悪いくらいです。
その都度落ち込んで、凹んで、投げ出したくなりますが、グッとこらえて前を向いて歩きます。
それが出来るのも子供の頃の頑張った経験があるからかも知れません。
僕はとりあえず、なんでもチャレンジします。
芽の出ない植物でも鉢を変え、土を変え、芽が出るまで育てます。
環境や時代や他人のせいにしたりはしません。
こうして僕は毎日、幸せに向かって生きています。
おしまい