昔は「路地」がいっぱいありました。
アスファルトで舗装されてないので水たまりが出来たり靴の裏に土が付いたりします。
環境整備が進み、都会の道路という道路はアスファルトで敷き詰められています。
掘っては敷き詰め、また掘って敷き詰め。
真夏はフライパンの上を歩いてるみたいです。
Hanaのお店の前に小さな路地があります。
お店の前にいつもシャッターの降りてる二階建ての古い家があって、その隣から奥に伸びてる小さな路地です。
多分、この家の私有地なんでしょう。
その路地は細く裏の住宅地に続いていて、そこの人たちが近道なので毎日通り過ぎています。
大都会東京の中心にある恵比寿とは思えない光景です。
この度、この土地が売りに出されることになり、家は解体。多分、この路地も無くなるのでしょう。
見納めに、ハイ、パチリ。
外国のどこだかに古代から生えている苔の路があって、そこには遙か昔の足跡が今でも消えず残っているそうです。
この路地もたくさんの人の足跡を残し思い出の通りになっているのでしょう。
時には朝寝坊してダッシュで走り抜け、
時には恋人と手をつなぎもっとこの路が長ければいいのになんて思いながら、
時には落ち込んで肩を落としてトボトボ歩いたり。
そんな足跡がたくさんあります。
アスファルトは水はけも良く泥跳ねも無く、東京で長靴を履いたことがありません。
それでも、こんな路が僕は好きです。
おしまい