「もう、君たちに残された道はないんですよ。」
夏休み、山奥のキャンプに集まった7家族。大人も子供も初めて顔を合わす者同士。
共通点は2つ。「児童虐待」と「子供の臓器売買」。
北野武の愛弟子ダンカンの初監督作品
「七人の弔い」
http://www.office-kitano.co.jp/7tomurai/
を見ました。
子煩悩で知られるダンカンさんが初めての作品でこのテーマを選んだのはマスコミやメディアが取り上げている以上に病んだ大人たちによる子供へのしわ寄せがあまりにもひどいからかも知れません。
かなりシュールなテーマにもかかわらず要所要所に笑いを入れ、それがさらに後に来る哀しさを強調するようでした。
子供は反論するボキャブラリーもなく、反抗する力もなく、逃げる場所も助けてくれる大人もなく、ただ親を選んで生まれてくることが出来なかった運命に身を任せるしかない無力さ。
だけど、その中で子供は「無限の可能性を持つ」原石であり、少しずつ自分で人生を切り開く力を蓄えることが出来る。
最近、子供による親の殺害や傷害事件がやたら目に入ってきます。
人を傷つけたり殺めたりすると当然「加害者」になり、罰せられます。メディアもこぞって「犯人」と呼びますが、中にはそうせざるを得なかった事情もあるのではと思ったりもします。
包丁やバットで切りかかり、殴りかかるのは一瞬ですが言葉の暴力や日課のような傷にならないような虐めや精神的苦痛はそこから逃げ出すことが出来ない子供にとってある意味殺されるより辛いのかも知れません。
結婚をするときはあれだけ悩み考えるのに子供を作るときは意外と流れだったりすることが多いようです。
結婚なら別れたりやり直すことが出来ても子供は例え離ればなれになっても戸籍が違っても死ぬまで親子ですから、ある意味結婚以上に慎重になるべきではないかと思います。
Hanaのある恵比寿は共稼ぎの親が多いせいかひとりでTUTAYAでビデオを借りて家で見ている子供が意外と多いようです。
テレビやゲーム、塾に習い事。忙しい親の代わりに子供の相手をしてくれるもので溢れてますがはたして子供はそれで幸せなんでしょうかねえ。
今、思い返すと子供の頃食べたどんなお菓子よりも料理下手な母がテーブルの上をベタベタにして大きさ違いのセロファンで包んで作ってくれたキャラメルが一番思い出に残っています。
いつまでも子供のなぞなぞに答えてご褒美にアイスクリームをもらえるような世界一の親になりたいと思いました。
おしまい。