こんにちは~トモです。
昔、お祭りとかに「見世物小屋」というのがありました。
文字通り小屋で柱にキック一発で壊れそうな作りです。
入り口脇にのぼりが立っていて「恐怖!!蛇女!!」「呪いの牛女!!」とか手書きのヘタ字が余計に怖さを後押しします。
入り口でお金を払って中に入ります。
40~50人くらい入れるくらいでしょうか。目の前にステージがある薄暗い小屋の中。
「ブ~~~!!!」
始まりの音が鳴ってヒゲのサーカスの「団長」ぽいおじさんが出てきて
「数々の呪いを受けたものたちを御覧ください!」的な前口上をして、
「では、一番バッターは(打つんかい!)蛇に呪われた蛇女!!!」
黒髪ロングの「昔キレイだったろう女性」が出てきて挨拶をします。右手になにかを持ってます。「蛇」です。
それをおもむろに鼻の穴に差し込みます。客席がザワザワします。途中、左手を口に中に入れて引き出すと口から蛇が出てきます。
鼻と口は繋がってるので当たり前っちゃあ当たり前ですが。
「あああああ~~~~!!!(「あ」に濁点が付いてると思ってください。)」
その蛇を頭シッポ、両方持ってまるで銭湯のおじいちゃんがタオルで背中をのゴシゴシするように鼻と口で出し入れをします。
客席は「ポカ~~ン」です。
ひとしきり左右のお客さんにも見せた後蛇はそのままにして、丁寧に一礼して舞台袖に消えていきます。
入れ替わりに「団長」が入ってきて
「次は、牛に呪われた牛女ぁ~~~!!!」
と言うと「小人症」と言うんでしょうか、顔だけ大人で身体は小さくて手足も短い女性が
「モォ~~~~~!!!!!」
バタバタバタ~~~!!と四つん這いで走ってきます。鼻には大きなリングみたいなものをつけて舞台を端から端まで暴走します。
会場は拍手一つありません。子どもだった僕でも「こりゃあかんやつだ!」と思ったのを覚えています。
今なら確実に「労働なんとか局」とかの行政団体や、「差別なんとか」の団体から猛抗議になっただろうと思います。
しかし、昔はこういった障害を抱える人やまともな仕事につけない人も多かったんだと思います。こういった身体的特徴を活かした仕事について生活をしている人もいたんだろうと思います。
ふと思い出したのが最近ヒットした映画の「グレーテストショーマン」。まさにあの世界。
かわいそうだとか差別だとか言う前にその人達が一生懸命頑張ってることに対して正しく評価することが大切なのではと思いました。
先日発覚した厚労省の障害者雇用の水増し事件もそうですが。この国はそういった人たちへの向き合い方が甚だ遅れています。と言うか向き合おうとしてないのかもしれません。
多分、もう見ることは出来ないかもしれないけど、今、見るとあの頃と違った感覚で彼らの「芸?」を受け止めることができるのかもしれない。
しかし、もう少しひねって欲しい。