こんにちは、トモです。
僕も美容師を初めてもう37年になります。
僕が美容師になった頃、ミヨちゃんもミサキくんも生まれてません。
僕も彼らと同じように新人だったり、アシスタントだったり、見習いだったりの時期がありました。
同じように悩み、同じように苦労し、同じように頑張りました。
僕たちの頃は、上下関係も厳しくて、スタイリストとアシスタントでは雲泥の差がありました。
間違った道具を渡すと、容赦なく放り投げられ、「もう、いいから」と使ってもらえなかったり、中には文字通り「足蹴にする」先輩もいました。
時は流れ、今、そんなことしようもんなら、即、退場。ってか辞めてしまうでしょう。
もちろん、その厳しさに耐えたからこそ強くなったとも思えますが、時代に関わらずそれはいい方法とは言えないように思えます。
僕たちでも、もし、江戸時代のお侍さんが
「オレは失敗したら腹を切るぞ!だからおまえも切れ!」
と言われたら二つ返事で「NO!」です。(笑)
よく、同世代の友人から
「オレらの頃は、ひとつ言われれば最低3つ、頑張って10を知るだったけど、今の子はひとつ言われれば、一つしかやらない」
という言葉を聞きます。もちろん、前者の方がいいに決まっています。だからといって嘆いたり、「どうして出来ないんだ!」と怒ったところでなにも解決しません。それは「そういう環境で育ってきた」からです。
僕たちも初めからそんなに考えれたわけではなく、そう考えざるをえない環境にいたからこそ、それができるようになったんだと思います。
幸い、Hanaはミヨちゃんという究極の「気がつき魔」がいて、僕は余程のことが無い限り、ミヨちゃんに「あれして、これして」と言ったことがありません。
ミサキくんに指導するときひとこと「ミヨちゃんの動きを見てみて」と言うだけでお手本になってくれます。
ミサキくんがHanaに入って1年。最近ではミサキくんにも「あれして、これして」ということも無く、むしろ、ミサキくんの方から
「トモさん、◯◯しときますか?」
と言われ、
「あ?ああ、お願いします。」
と言われ、最近では二人から
「トモさん、◯◯は△△なので☓☓しといてください。」
と指示されるくらいです。
多分、「今出来てない人」でも、明日は、未来は「出来る人」になるのだと僕は思います。若い人の可能性は無限です。むしろ、僕たち大人の方が思考や考え方が偏ったり固くなったりして、変われないような気がします。
現に、何度言おうが、どう言おうが、頑なに自分の考えを変えない大人をいっぱい見てきました。「ブレてない」と言うとカッコいいのでしょうが、それで、周りが幸せじゃないと、ただの迷惑ですね(笑)
そこは反面教師として常に自問自答して自分をチェックしないといけませんね。
おかげさまで、「ミヨちゃんじゃないと」と言ってくださるお客さんがたくさんいてくれて、「ミサキくんにシャンプーして欲しい」と言ってくださるお客さんも増えました。
僕もキャリアにあぐらをかかずに負けないように頑張らねば!
「環境が人を育てる」というのは真理ですね。僕の仕事はミサキくんやミヨちゃんを叱ることでなく、環境を整えることなんだと二人に教わりました。
おしまい