その昔、「原子力」は「未来のエネルギー」として大きく期待されました。
あの、マンガ、アニメで有名なロボット「鉄腕アトム」もエネルギーは原子力です。
1945年、8月6日。
広島に原爆が落とされ、あれから72年。振り返ってみて、原子力は僕たちに何を与えてくれたんでしょうか?
元々「大量に人を殺す」ことを目的とした「武器」を維持するためにエネルギーとして利用して、それで多くの死者を出した国に売りつける。
その施設は国内に数箇所できて結果、「電源喪失」。ただそれだけで数カ所の町や村、そして多くの人が生活を奪われ家を追い出されることになり、農業や畜産業を生業とした人は仕事を奪われた。
多くの人を幸せにする夢の「家電」を作っていた大企業ーは、原発事業に手を出し、結果、頓挫して一部上場廃止になり、窮地に追い込まれる。
立地の街は補助金で潤うも、なんの生産性もなく、原発が止まりお金を打ち切られると死に体となり、再起動を願うしかなくなる。
何一つ、いいこと無いじゃないか。
原子力エネルギーで動く「鉄腕アトム」も最後はアトムが地球を救うため太陽の活動を抑止するロケットを抱え太陽に突入するという件。
これは、多くの人が知るところだけど、実は、この後の話があります。
太陽に突っ込んで自爆したと思われたアトムは宇宙人によって助けられます。(まるでフリーザと戦った後、ナメック星が爆発して死んだと思った孫悟空がヤードラット星で生きていたみたいな。)
その後、ベトナム戦争真っ最中のベトナムにアトムは現れます。
最後のエネルギーを使ってある村を爆撃から救おうとします。
その村で女性がお産の真っ最中でアトムのおかげで無事出産することができます。
アトムはお母さんと子どもに声をかけて力尽きます。
それから24年後の1993年。
アトムはエネルギーを入れ、たった1日だけ復活します。
そして、最後には自分で山奥に飛んで行きそのまま死んでしまいます。

tて作者の手塚治虫氏がどういう意図をしてアトムの最後を描いたのかはわかりませんが、人間の力を超えるものをいたずらに作るべきではないということだと僕は思います。
原子力によって僕たちが得たものは「便利」。
そして失ったものは「命」と「未来」。
核保有国は「核を保持することに寄ってバランスが保たれている」と言います。
「やられたらやり返す!倍返しだ!」
とどこかで聞いたようなセリフはドラマの中だけにしていただきたい。