僕が広島から東京に出てきた理由のひとつに
「いい仕事がしたい」
がありました。もちろん、広島でもそれなりにいい仕事をしてたと思います。当時は広島では少しは名が通ったお店にいて、その中でトップで頑張っていて、自分でもそれなりに「デキル男」だと思っていました。
最初は「広島で鍛え上げた腕で東京に殴りこんで、ひと暴れして故郷に錦を飾ろう」程度な軽い気持ちで出てきました。
そんな野望はわずか1ヶ月で消し去りました。
僕程度のレベルの美容師がウジャウジャいて、僕なんか足元にも及ばないカッチョイイ美容師さんがこれまたウジャウジャいました。
「ウジャウジャいるよ〜〜」
一番の違いは「お客さんの求めるクォリティの違い」です。
求められるデザインのクォリティが高ければ高いほど、それに答える僕たち技術者のレベルも高いものでないといけません。
簡単に言えば、一流レストランに来店されるお客様にファーストフードレベルの味を提供していてはお客様に見限られてしまうということです。
美容師の技術のクォリティはどこが違うのかというと、
ひとつは「家に帰ってから手入れがし易い」ことです。お店で鏡を見せてもらった時はカッチョイイんだけど、家に帰って自分でやってみると、どうにもこうにもまとまらない。これじゃダメです。
次に「時間が経ってもデザインがキープできてる」ってこと。よく
「1ヶ月経ってもなんとかなってるのよね〜」
と言っていただけることがありますが、それです。
本来、「いいカット」をしてあると、暫くの間(大体45日くらい)までは気にならないくらい快適にすごせます。そして「ある日」突然「どうしようもなく」なります。これが次のカットの目安です。(その理由は後日詳しくお話しするね)
さらに、「髪の毛にダメージを与えない」こと。髪の毛は植物と違って自分でリカバリーできません。傷んでしまうとそれまでです。なので、「傷めない技術」が必要になります。それは、適切なパーマやカラー剤の選択、トリートメントの施術、そしてカットやブローの仕方で決まります。
他にも「居心地の良さ」、「接客態度」、「会話のクォリティ」等、お客様が来店されてから、帰って、そして次に来てくれるまでそれはエンドレスに続きます。
「自分でやっても変わン無いじゃん!じゃダメ」
先日、「Hanaにクーポンが無い理由」でも話しましたが「技術やサービスは割り引いてはいけない」理由に、僕たちプロはこのクォリティを守らなければいけないことが第一に上げられます。
僕の知る、一流の料理人、デザイナー、パタンナー、そして、生産者、多くの技術者と話をすると、みんな口を揃えて言うのが
「技術の安売りをしてはいけない。クォリティの低い技術に慣れてしまうといざ、相当の対価を払うから一番いいしごとをしてくれと言われても出来ない人になってしまう」
ということです。
「お店や技術者はお客さんが作る」
と昔から言われるように、高い技術を求めるお客さんのいる店にはいい技術者が育ちます。
そして、その技術者がクォリティの高い技術をお客さんに提供することで相互に育っていきます。
これこそが、僕が東京の恵比寿で頑張っていられる理由です。
東京に出てきて人生の半分以上が過ぎましたが、未だにお客さんや、他の美容師さんに教わることがあります。
僕の技術はまだまだ発展途上です。
目指すとこは常にクォリティです。#恵比寿 #美容院 #美容室 #ヘアーハナ
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