まあ、みんな知っとると思うけど、トモは生粋の広島県人なんよ。
ほいじゃけえ(だから)、広島弁も話すんよ。
じゃけど(だけど)、こっち(東京)じゃあ通じん言葉もえっと(たくさん)あるけん、なるたけ標準語を喋るようにしとるんよ。
もう、人生の半分以上、東京におるけえ、まあほぼほぼ東京人なんじゃけど、血はやっぱ、広島人じゃねえ。
東京出てきて最初に働いたお店が銀座じゃったんよ。バリバリ東京のど真ん中じゃろ?最初はイントネーションも広島弁じゃし、先輩に
「方言だとオシャレじゃないからななおして」
と言われて必死に頑張ったんよ。コツは「敬語」を喋ることじゃね。ほしたら「じゃね」が「ですね」に変わるけえちいと(少し)は標準語っぽく聞こえるんよ。
ほんでもね(それでもね)、「自分が標準語じゃあ思うとった言葉が実は方言」みとうな言葉があってね、
代表的な言葉は
「たわん」→「とどかない」
「みやすい」→「簡単」
「たいぎい」→「めんどくさい、かったるい」
とかね。
後、「名詞」とかでも「定規(ものさし)」とかあるじゃろ?あれを広島弁じゃと「さし」言うんよ。ほいじゃけえね、自分がなんか作業しよったときに、側におる人の前に定規があって
「ごめん、さし、取って。」
言うたら、その人は
「なにを?」
言うて聞くんよ。ほいじゃけえまた
「その目の前のさし取って!」
言うたら
「なにに?」
言うけえ、
「目の前あるじゃろ?さしよ!さし!」
半ギレになるとこじゃったよ。(いや、キレとるね)
まあ、そんなんこんなんありながら、色々直したんよ。まあ、その方が通じるけえね。よう、大阪の人が東京に来てず〜っと関西弁喋る人がおるじゃろ?お笑い芸人ならそれが仕事じゃけえわかるけど、普通の人がやったら、
「この人は、関西弁を標準語にしようと日夜戦う人なんかねえ?」
と思うてしまうよ。
郷に入れば郷に従え、朱に交わればシュラシュシュシュ♪
そういう人はアメリカ行ってずっと日本語で通すんかねえ?
とまあ、あれからかなりの時間が経って、もう、広島弁と標準語を普通に使い分けれるようになったけえね。お客さんにも「トモさん、全然なまってませんね。」言われるけえね。まあ、「ネイティブな東京弁」を喋れるようになったんかね。
そう思うとったら、昨日、ミヨちゃんが「自転車がパンクした」言うんよ。自転車屋も近くに無いみたいじゃし、パンクじゃったら、100均のパンク修理キットで直せるけえ、直したぎょう(直してあげよう)いうことになったんよ。
ミヨちゃんは目黒に住んどるけえ、道具持って直しに行かんといけんけえね。
「ミヨちゃん、パンク修理キットはあるけど、『空気注ぎ』、ある?」
「え?なんですかそれ?」
「いや、『空気注ぎ』だよ。く・う・き・つ・ぎっ!」
「なんですかそれ?」
「え〜〜!?空気注ぎ知んないの?自転車に空気入れるあれだよ、あれっ!」
「ああ、『空気入れ』のことですねっ。
どうやら、「空気注ぎ(くうきつぎ)」は広島弁らしい。
ヘタしたら、このまま一生気づかんといて、人生おわるとこじゃったよ〜。くわばら、くわばら。
やっぱ、僕は「似非(えせ)東京人」じゃったようじゃねえ。
おしまい#恵比寿 #美容室 #美容室 #ヘアーハナ
#中西トモミチ