カメラマンの友人が
「デジタルは技術を平均化させる」と話してくれました。
確かに、カメラで言うと、昔と違って「失敗」が無くなりましたね。
「ミラーレス」(背面に液晶がついてるやつ)だと、実際に撮れる写真が映るし、撮った後でもチェックできます。
なによりもいいのは
「現像」しなくても見られるので、「何枚撮ってもいい」というのが魅力的です。
昔は写ってない写真まで現像してましたからねえ。
料理の世界も進化していて、「揚げ物」などのフライヤーとかの機械はは適切な頃合いでアルバイトでもそこそこ美味しく作れるように出来ています。
多くの人は
「そこそこ」で満足できて「微妙な味や食感の違い」よりもわかりやすい看板の
「〇〇産、天然△△!」というコピーにひかれます。
食品偽装問題があれだけ大きくなったのもそのせいでしょう。
僕なんか「底底(そこのそこ)」の自分の手料理で満足できます。
「一流」の料理人になるには
「時間」がかかります。
先ごろ閉店した老舗の「とんかつ屋」さんでは付け合せのキャベツを切るのに「5年」かかるそうです。
そうすると、「若い職人さん」が育たないそうです。
メインのお肉を触れるのは、それからだそうで、
キーボードを
「ポチ」ればすぐに物が買えて、答えがわかる今の若者にはとうてい出来ません。
機械だと、キャベツは勝手に細かく切れて、とんかつも自動に揚がります。
でも、やはり、
職人さんが切ったキャベツは食感が全く違います。そして
「甘い」です。
とんかつも絶妙な揚げ加減と、肉の柔らかさで、それは機械ではとうてい及ばない領域です。
試しに
銀座の
「井泉」に行ってみてください。わかりますから。
僕たち美容師の仕事は
「デジタル化」しにくい仕事です。
人の頭の形はそれこそ
十人十色。
そして、髪質、髪の太さ、生えぐせ。肌の色、そして、好みとなればもう
千差万別です。
とても「日焼けマシーン」みたいに機械の中に頭を突っ込んでしばらくしたら自分に合ったヘアスタイルに仕上がってるなんてことはどうあっても考えにくいです。
まあ、せいぜい「かつらを乗っける」くらいなら出来そうですが。
「シャンプーマシーン」もありますが、とうてい人の手で洗う気持ちよさには及びません。
「デジタルパーマ」も名前だけで、ロッドを巻いたり取り付けるのは全部人の手ですから。
唯一「顧客管理」はデジタル化できますが、やはり、ひとりひとりのお客さんを
「覚えておく」方が絶対にいいに決まっています。
同じお客さんでも、季節も変わるし、気分も変わります。
「同じ」なようで微妙に変えることでいつでも新鮮なヘアデザインを提供できます。
僕たちの仕事が
ロボットに奪われる時代はまだまだ先のようです。
【店舗紹介】
とんかつ井泉(いせん) とんかつ屋
http://www.tonkatu-isen.com/東京都中央区銀座2-8-15 共同ビル 2F
11:00~21:00[LO20:30]
ランチ営業、日曜営業
恵比寿 美容室 ヘアーハナ
中西トモミチ