「私○○と申します。見学をさせて頂きたいんですけど・・」
働く場所を求めてHanaに電話してくる。
この時期多いのは今年の3月に専門学校を卒業して未だ決まってない人が多い。
「面接」と違い「見学」なのでこちらから「聞く」ということはあまりしない。
なるべく暇な時間を選んで来てもらう。
来てもすぐに話はせず少しの間待ってもらう。
そして、
「こんにちは、トモです。よろしくお願いします。
さて、何か聞きたいことがあったらどうぞ。」
ビックリするのは、ほとんどの確率でおもむろに手帳を取り出して質問を浴びせる。
開口一番聞かれるのは
「このお店のコンセプトは?」
その後に続くのは
「お客さんの層は?」
「教育のカリキュラムを教えてもらえますか?」
「メイクは教えてもらえるんですか?」
「練習会は週に何回くらいですか?」
「どのくらいで一人前になれますか?」
と矢継ぎ早に聞かれる。
「うちのホームページは観ましたか?」
と聞くと、
「家にパソコンがないので観てません。」
とサラッと答えられる。
僕は聞いた。
「徹子の部屋」って知ってる?」
知らない場合は他のトーク番組のタイトルを聞いてみる。
黒柳さんはどんなゲストでも必ずその人の情報をあらかじめ事細かく調べているそうだ。
だからこそ、その人の内面に突っ込んだ質問が出来て聞かれた方が話そうと思ったこと以上に「引き出されてしまう」わけだ。
「それほどになれ」
とは言わないが、
「自分で何も考えずに質問する」のは止めて欲しい。
はっきり言って疲れる。
最初に少し時間を与えてるわけだから
「アジアっぽい内装ですね。なんかホッとします。リラクゼーションとかに力を入れられてるんですか?」
とか最低限そのくらい聞いて欲しい。
僕は彼女たちに聞く
「君が『彼氏募集中!』と張り紙出して男がわんさか現れて開口一番
「あんただれ?名前は?料理作れる?身の回りの世話してくれる?」
って聞いたら『帰れ!』って言うでしょ?」
これがお客さんであればコンセプトからサービスの内容まで懇切丁寧に教えるよ僕は。
誰よりもわかりやすい言葉でかみ砕いて、気持ちいいくらい説明するよ。
10人中9人はこんな感じ。
中にはまともなのもいるけどね。
そんな子が来たらなんだかホッとするね。
ちなみに電話の時点で声が暗くて名前も名乗らない人はその場でお断りしてます。
「ねえねえ、聞いてよ!それでさ、これも見てよ!ね!ね!」
ってな具合に聞いてみてよ。
なんでそこにこだわるかというと、僕たちの仕事は「お客さんの事をどれだけ理解できるか」って仕事だから、最低限それが出来ないと
「オレ、アーティストだから勝手に切っちゃうよ」
って美容師になりかねないからね。
ま、教育すればある程度出来るとは思うけどその程度の資質は持ってて欲しいね。
今日も一人入ってる・・・10分の1であって欲しいね。
「そんな気の利いた子今時いないよ〜」
って声も聞こえてきそうだけど「そんな子」が欲しいのだ。