前回に引き続き第2話目が登場。
ブレンディやクレイジーケンバンドのCMを手がけているプロデューサーの
桜木ヒカルさんがプロデュースした映画。
「サロンスタイル」というシャンプーもしくはコンディショナーを買うとついてくる鑑賞券で観ることが出来る「世界の中心出会いを叫ぶ」の行定勲監督と柴咲コウさんのショーとムービー。
「この映画を観るためだけに」買いましょう。(シャンプーは前回同様自分で使わずに誰かにあげましょう)
前回はドラマ仕立てで、「現代風」だったが、今回は昭和初期のお話。モノクロの映像が想像力をかき立ててくれる。「映画」っぽい。
内容も老舗の旅館の子供が柴咲コウ扮する女郎に恋をする、僕たち男がかつて味わった甘くて苦い恋を描いている。
風呂場の覗きのシーンで手鏡で光を当てるシーンがある。子供の頃、教室の窓際の席に座っていた僕はよくやっていた。
光を通して「触れる」感覚があったような気がする。
実るはずのない年上の大人の女性への思い。
僕も昔、近所のお風呂屋さんのお姉さんに恋をしていた。
近所なのでよく遊んでもらっていた。彼女のうちにはピアノがあって家の前を通ると彼女が奏でるピアノの音が僕の鼓膜を通して彼女を感じていた。
ピアノの曲など解るはずもなくでも、その音の先に彼女の鍵盤をたたく白い指先を想像していた。
子供の僕は彼女にとって僕はまるで小動物のような存在だったのだろう。
遊びに行くとよくお菓子をくれた。
ある日、そのお姉さんが泣いていた。なんで泣いていたかは解らなかった。彼女は僕に気づいて笑顔をくれたがその笑顔に涙で濡れた目が余計に悲しそうに映った。
なぜか僕は
「彼女を守らなくては!」
となんか気持ちががんばった。何が出来るわけでもなく、それでも彼女を泣かせた「何か」に怒りを感じていた。
今回の「あこがれ」を観て、そのころの自分を思い出した。そして、僕を優しく育ててくれた母のことを思い出し、涙が出てきた。
もしかしたら、あなたの近くにあなたのことを守ってくれる「小さなナイト」がいるかもしれないね。
「髪からはじまる物語」三部作