よく子どもが
「みんな持ってるよ!」
と言います。
大人になっても言ってる人もいます。
多分に漏れず、僕も子供の頃、そんなことを言って親を困らせました。
「ねえ、あのオモチャ買ってよぉ〜〜。だってみんな持ってるよ!」
まあ、可愛い子供が欲しがるモノ。
喜ぶ顔見たさに買ってやりたい気持ちもあるでしょう。
でも、まあ、その度に買ってやると、お財布の中身がスッカラカンになってしまいます。
裕福なご家庭でも、その都度買っていると、"手に入れる感動"が無くなってしまいます。
以前、Hanaに来ている子どもに
「クリスマス、何欲しいの?」
と聞くと
「え?別に、欲しいモノ無い。」
って言うから、あれは?これは?
と聞くと、
「持ってる」
と冷めた答えが返ってきました。
僕が子供の頃は「欲しいモノだらけ」でした。
普段は買って貰えないから、誕生日とクリスマスはもう楽しみで、楽しみでしょうがありませんでしたけどねえ。
話しは戻して、
「みんな持ってるよ!」
と言うと、僕は母はこう言いました。
「ふ〜ん・・・。じゃあ、誰と誰?名前、言うてみんさい。ハイ!スタート!」
「え?・・・えっとぉ〜〜・・酒本くんじゃろぉ〜〜・・・鍵谷くん、石井くん、浅野くんに、えっとぉ〜〜・・・えっとぉ〜〜〜・・・・」
「はい!ストップ!」
「え?」
「はい、今、何人言うた?」
「え?よ・・・四人・・・。」
「あんたのクラス、何人?」
「え?40人。」
「"みんな"って何人?」
「え?・・・・・・。」
返す言葉がありませんでした。
現在でも、テレビであたかも"流行ってる!"ようなことを言ったり「みんな持ってる!」的に放映してますが、実は少数で。
何日も徹夜して並んで買ってる人もいますが、それこそ"極一部"の人で、「みんな」は持ってなかったりします。
最近では「ステルスマーケティング 」(Stealth Marketing)
(消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすることである。略して『ステマ』とも呼ばれる。)
「具体的には、あたかも客観的な記事を装った広告や、影響力のあるブロガーが報酬を得ていることを明示せずに、第三者的な立場を偽装して、特定の企業や製品について高い評価を行うことなどがあげられる 。この行為自体は刑事事件にはあたらないものの、モラルの観点からしばしば消費者団体などから非難を受けることがあり、また「やらせ」が発覚すれば消費者からの信用を落とすことにもつながりかねない。」
によるテレビ番組がやたら多く、宣伝力のあるファーストフードなどのランキングやグルメ番組など、
あたかも「みんないいと言ってる」と思わせるものも多いので、
乗せられて、
「行ってビックリ!食ってガックリ!」
ってことも少なくなかったりします。
クリスマスに高価なプレゼントや高級レストランで食事、なんて、世界で言えばむしろマイノリティーなことかもしれません。
逆に「みんな持って無くて」も、自分にとって価値のあるモノであれば、それはむしろ必要なのかも知れません。
まあ、僕より母の方が一枚上手だったって話しです。
おしまい。