僕たち広島県人にとって、「矢沢永吉」という人は、「あたりまえ」の存在だったりします。
中学の頃、吉田拓郎や井上陽水などのフォークソングを卒業してディープ・パープルやツェッペリン等のハードロックを聴きあさっていたころも、なぜかその中に矢沢永吉のレコードがあった。
彼が在籍していたCAROLが全盛期だったころ、僕はまだ小学生だった。
解散コンサートの「日比谷野音」も知らなかった。
でも、喫茶店やいろんな店で彼らの曲は当たり前のように流れていた。
彼が書いた「成りあがり」という本を友だちに勧められて買った。
その中の
「10メートル先のタバコ屋にキャデラックに乗ってハイライト買いに行く事が夢です」
なぜか、そんな台詞が当時の僕にはすごくかっこよく聞こえました。
その頃にはもう彼の活動拠点は東京だったので、広島にはその足跡すら無かったのですが、
なぜか同じ広島にいる自分もそして友だちも
「いつかはオレも・・・」
と多くの人が思ったと思います。
Hanaを出して出来た友だちに、熱狂的なYAZAWAファンがいます。
彼はYAZAWAに会いたくて今の職業を選んだくらいです。
以前、彼にYAZAWAのDVDを貸して貰って片っ端から見たことがあります。
ライブのDVDとかだけど、もちろん歌もカッコイイです。
それもさることながら、間に入るMCやインタビュー。これが最高に面白い。
「MC集」のDVDを出してくれたら、速攻並んで買いに行きます。
彼の言葉が心に響くのは「正直」で「ブレてない」からでしょう。
政治家のように予め決められた台詞を感情を込めてる風に話したり、言ってる言葉がコロコロ変わったりするのではなくて、
彼の言葉も彼そのものだから、言葉がスッと心に入ってくるのでしょう。
今の大人は僕も含め、あまりにもいろんなことがありすぎて、ブレてブレて
嘘をついたり、その場かぎりの言い訳をしたり、
子どもに聞かせたら
「よくわかんな〜い!」
とバッサリ言われそうです。
そこを「オレはね」と時代がどう変わってもブレないその言葉に憧れるのかもしれません。
中にはとてもくだらないことも言ってます。
そのくだらない言葉すら、聞き逃さないように真剣に聞いてしまいます。
本来、僕程度がYAZAWAを語ることなんて、恐れ多いのですが、多分、本当のファンの人だと、言葉では語り尽くせないくらいの思い入れがあると思います。
僕たち世代だと神様のようなそんざいですが、
今の若い人達が見たら
「なんだ?このおっさん?EXILEじゃねえの?」
なんて思うのかもしれませんが、彼の正直な言葉やメッセージはきっと時代を超えて響いてくれると僕は思います。
最近、メディアの露出が多くなってきて引退の二文字もささやかれてますが、
今、こうして、YAZAWAと同じ時代に生ているうちにいっぱいYAZAWAを聴いて、見て、そして、YAZAWAのメッセージを心に刻んで欲しいなあと僕は思います。
だって、こんな面白い人間、そうそういませんから。
ユーミンと対談してます。
対談中にうんこ座りしてマッチでタバコに火を点けてる姿にしびれます。
まったくブレてません。
http://youtu.be/tmEu6xjWyLM