僕が大切にしているお店があります。
・恵比寿の隠れ家カフェ「カフェデュースEBISU」
・渋谷のアンティークショップの「shu shu」
・代官山のギャグが冴えたり冴えなかったりsaruojiさんの「猿楽珈琲」
・茗荷谷のこだわり焙煎「喫茶扉」
・四谷の日本一の「がんこラーメン」
・白金の本当の豆腐屋「川越屋豆腐店」
・麹町のシュークリームの「ローザー」
・泉岳寺の大福の「松島屋」
・恵比寿のMBTショップ「コアギャラリー&SPA」
・渋谷のトモ再生所「タナカカイロプラティック」
・美しすぎるパンの先生naopanさんのパン教室「La Petite Tartine」
・カフェデュースで定期開催。編み物の「cafe picnic」
・南麻布の下戸の僕が唯一「酒うめえ!」と思ったマスター・エノチンのBar「flask」
・その他、和菓子屋さん
まだまだ挙げたらいっぱいあるけど、
その中でも、僕にとって「特別」なお店、恵比寿、カレーの「モンタンベール」があります。
何度も紹介してるので、今更詳細をこの場でお伝えするのもなんなんで、割愛させてもらいます。
(詳しくは
http://montenvers.jp/で)
僕がこのお店が好きなのは、「味」はもちろんのこと、オーナーシェフの「伊藤さん」が大好きだからです。
以前も
「料理はビジネス?それとも?・・・」のエントリーで紹介させてもらったけど、
伊藤さんは一、料理人としてだけでなく、人生の大先輩としても僕の数少ない「師」と呼べる人の中のひとりです。
もちろん、本人はそんな気は毛頭ないでしょうが、僕はモンタンベールに食事に行くたびに、伊藤さんから大切な事を教えて頂いたような気がします。
("若鶏の新鮮ササミスイートチリソース"一口で目が覚めました)
そのモンタンベールですが、2,012年の1月28日を持って「閉店」することになってしまいました。
初め、その話を聞いたのは、お客さんからでした。
Hanaに来た後、ランチにモンタンベールにそのお客さんが立ち寄った際、伊藤シェフから、その話を聞いたので、僕に電話をくださいました。
なんか悪い冗談だと思ってたら、話しはそのまま終わり。
その後、言いしれぬ喪失感を感じてしまいました。
僕はいてもたってもいられず、お客さんが終わって、すぐさまその足で伊藤さんに会いに行きました。
クリスマスイブの夜でした・・・
(スパイシーチキンのロースト)
伊藤さんは少し前から股関節が痛くなり、疲労が溜まると歩くのも困難なほど痛みが襲ってきて、
仕事が終わって、恵比寿の駅に向かう坂道すらも歩くのが辛い状況になったそうです。
医者からは「このままだと車イスの生活になる」と言われ、様々な思いが交錯する中、断腸の思いで閉店を決めたそうです。
伊藤さんは、特に僕の仕事にアドバイスをくれたり、なにかをしてくれたわけじゃないんだけど、
伊藤さんの料理に対する姿勢、スタイル、考え方が僕にはなによりの教科書であり、刺激でした。
伊藤さんは、よく、手の空いた時にお店の中を廻ってお客さんとお話しをされています。
多分、僕と同じように思っている人も多いことだと思います。
決して押しつけでなく、声高らかに主張するわけでもなく、木訥(ぼくとつ)に仕事と人生に向き合う姿勢は、ある意味美しくもありました。
「とりあえず、治療に専念して、また良くなったら、今度はひとつ路地を入ったところで、無理せずにやろうと思ってるんですよ。」
伊藤さんは、明るくそう答えてくれた。
そして、多くの人が伊藤さんの再起を願って、店舗を紹介してくれたり、治療院を紹介してくれたりと、
もう、料理人とお客さんの枠を超えてる感じです。
屋号の「モンタンベール」はスイスの登山列車の"終着駅"の名前で、
伊藤さんの料理人生の終着駅の意味でそうつけたそうです。
今は雪深くなって、一旦閉山するけど、
また暖かくなって雪解けしたら、また新たな「モンタンベール」が僕たちの前にきっと現れてくれることを願って、とりあえず
通おう!
お店は2,012年の1月28日までやってるから、
是非、みなさんも、伊藤さんの料理を食べに行ってみて下さい。
そして、美味しかったら、その気持ちを伝えてあげてください。ね
MONTENVERS(モンタンベール)
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4-9-5 マンションニュー恵比寿1F
03(3441)7521
OPEN:Lunch 11:30~15:00 Dinner 18:00~22:00(21:30 L.O.)
定休日:日曜と月曜の祭日
http://montenvers.jp/
(今回はカレーの写真はなし。バーニャカウダーも最高に美味!!)