昨日の夜、携帯電話が鳴った。
恥ずかしい話しだが、僕の携帯電話が鳴ることはほとんど無い。
たいていHanaにいるし、、多くはメールで用件が入ってるくらいなので。
夜中の電話って、あまり"いい知らせ"で無い場合が多い。
とはいえ、21時過ぎだから、微妙な時間。
「トモさん、飲みに行かない?」
と下戸の僕を誘うもの好きもいないだろうし、
「トモさん、好きなの♡わたし、ずっと、トモさんのこと、好きだったの♡」
と電話をかけてくれるもの好きもいないだろし、
などと想像する間もなく、着信の名前を見たら、ちょっと懐かしい名前だった。
「八巻進」
そう、"スーさん"からだった。
スーさんはずっとHanaにいてくれて、7月いっぱいで実家のある埼玉に帰っていきました。
とはいえ、送別会の次の日に遊びに来てくれて、なんだか僕たちの中では今でも
「おはよ〜ございます」
とひょっこり現れても不思議じゃないくらいの存在で、
ミヨちゃんとも、先日、
「もうスーさんが辞めて4ヶ月も経ったんですね〜。まだ、なんか信じられない」
なんて話してました。
それ以来、ツィッターとかで時々つぶやいてはいるものの、
どうしてる、こうしてる、って話しはしてなくて、こっちから聞くのもどうかと思い
お家の事情がいろいろあるなか、頑張ってくれてるといいな〜。なんて思っていた矢先でした。
電話の声のスーさんはとっても元気そうでした。
今は、実家の近くの、知り合いの美容室で働いているそうです。
シフト制らしく、時間にも融通が効くと言ってました。
「お客さん、入らせてもらってる?」
と僕が聞くと
「はい、入らせてもらってます。」
と明るく答えてくれた。
なんか、そのひと言に救われた気がした。
なにを救われたかは解らないけど、素直にそう思った。
スーさんは途中入社と言えど、美容の技術は一から僕が教えさせてもらいました。
"どこに行っても通用する技術"をと思い、少し厳しめでしたが、スーさんは黙々とこなし、
コンテストでは優勝もしてくれました。
辞めるとき、スーさんはしばらく、時間に融通の利く仕事にすると言ってたので、美容師はしばらくお休みするのかと思ってましたが、
この仕事は手仕事なので、手が離れると、なかなか勘を取り戻すのに時間がかかります。
出来れば、早くどこかで美容師をやってくれたらな〜って言うのが僕のワガママのような親心でした。
こうして、Hanaではないにしても、スーさんが僕が伝えた技術で勝負してくれるのは僕にとってはすごく嬉しいことです。
もちろん、僕が教えたたのは"基礎の基礎"ですから、その上にスーさんの"味"が載っかって、もっともっとクォリティの高い技術になることでしょう。
慣れるまで、しばらくは忙しいだろうけど、またいつか、みんなでご飯でも食べたいな〜。なんて思いました。
Hanaにはスーさんが一緒に作ってくれた、ブラインドやテーブル、スーさんが修理してくれた飾りや、スーさんが作ってくれたクッションカバーが、今でも、Hanaに訪れてくれるお客さんを優しく迎えてくれています。
Hanaがある限り、スーさんのいた記憶はずっと生き続けています。
そして、スーさんが幸せにするお客さんもまた、少しだけ、僕の伝えた技術が入ってくれてたらいいな〜と、心から思うと同時に、
これからのスーさんが波に乗って、幸せな人生を過ごしてくれて、たまに元気な顔を見せてくれるといいな〜と願っています。
スーさん、ガンバレ!