仕事をしてたら肩から大きなバッグをかけた女性が店の前をウロウロしてのぞき込んでいた。
彼女は僕に気づいて、店のドアを開けた。
「あの〜。すいません。最近の青田典子さんの様子はどうですかぁ?」
一瞬、我を忘れた。
『へ?ミヨちゃんて本名、青田典子って言うの?いや、違うよな、えっ!??スーさん?つか男じゃん!(`_`)ノ青田典子ってお客さんいたっけ?いや、青山さん?いや男だって!(`_`)ノ』
と1秒くらいでいろいろ考えた。
「どなたですか?」
「あの、元CCガールズの、セクシーな、巨乳の・・・・」
なんとなく解るような気がする。
「で、その方がどうしました?」
「この近くに住んでらっしゃるんですけど、最近、なにか、落ち込んでるとか、変わったことあります?」
「すいません、そういう方はいらっしゃらないんですよ。もし、いらっしゃったとしても、お客様の個人情報はお教えできませんので、お引き取り下さい。」
と言うと、帰って行った。
つか、その前にあんた誰だよ?
翌朝、テレビを点けたら
ニュースで「青田典子と玉置浩二熱愛!」とデカデカと報道されてた。
そうか、このことだったのか?
僕自身、玉置浩二さんの歌は何度か聴いてよく知っているし、青田典子さんも何度かテレビで見たことがあるけど、それくらいで、プライベートのどーのこーのはまったくワカランチン。
ニュースを見てビックリ!玉置さんは離婚3回なんだってね。
いや〜モテる男は違うね。
でも、こういう人は僕も個人的に何人か知ってるけど、病気みたいなもんだね。
いいか悪いかはわからないけど、いいな〜っていう女性がいると、口説かずにはいられないんだろうね。
女性も女性で浮気でつき合ってんだけど、自分が本命になっても同じ事されるってのは考えないのかなあ?
世の中「ナンバー1になりたい女」と「オンリーワンになりたい女」といるのかもしれない。
「オンリーワン」はその名の通り、「唯一の女」っていうのかなあ.
他の人とは「比べものにならない存在」。
時にはフラッと誘惑に負けそうになったり、実際負けたりするんだけど、モテたり、ちやほやされるのも、彼女の存在あってこそで、
「ワタシと彼女、どっち取るのっ!!」
と迫られてもニコッとわらって、二つ返事で
「彼女。」
「ナンバーワン」は常に誰かと比較する。それも自分で。
例えばそれが相手の過去の女。例えばそれが彼の周りにいる女。
それらの中でナンバーワンでいたい。
前の彼女や奥さんに彼がしてあげたそれ以上の事を求めたりする。
「ワタシが一番じゃなきゃいやっ!」
彼を取り囲む女性に「勝つ」ことで、自分のプライドを守る。
裏を返すとそれは「自信のなさ」。
周りの誰もが「キレイね」、「ステキね」と言ってくれていても自分の「位置」(ポジション)が気になる。
いつも「イチバン」でなきゃ気が済まない。っていうか不安でしょうがない。
でも、順位は変わるもの。
あの「世界一早い男」、北島康介選手だってピークを過ぎると負けてしまう。
シリーズを優勝したジャイアンツでも負ける試合もある。
つい半年前までは
「全力を挙げて彼女を愛します」
と言った男が何の前触れもなく他の女性をナンバー1にしてしまう。
オンリーワンとナンバーワン、どちらを選ぶかはその人次第。
ただ、それもあくまで「望んで」のこと。
どちらにせよ、多くの女性にお世話になってる僕としては、女性にはなるべく幸せになって欲しいなあと、思いました。
おしまい