Hanaのある恵比寿という街は美味しい食べ物屋さんがたくさんあります。
特に東口は個人店が多いので、ここまで来ないと食べられないお店ばかりです。
時折、空いた時間にみんなでランチをしたりします。
ん〜〜・・・幸せ・・・・♡
美容師になったばかりの僕は初任給7万円弱。
家賃を払って、水道光熱費、そして電話代を払ったら手元に残るのは・・・(T.T)
「金は天下の回りもの」
気にしませんでした。
「やりたいことやってたら、無くなっちゃった〜(・-・)」
あのことアコムとかサラ金とか無くてよかった。
あったら今頃・・・・
給料日前になるとまあ、サバイバルですよ。
お米は田舎から送ってくる友達からもらってたのでなんとかなったけど、おかずがね〜。
バイクで15分くらい走ると山があるので季節の時は山菜採ったりしてましたよ。
最初は「あく抜き」って言葉を知らなかったし、「ダシを取る」なんてしらなかったから、単純にお湯で茹でてそこに醤油をぶち込んだだけ。
当然、まずい。
タバコ屋のおばあちゃんに話したら
「あく抜きせんとえぐうて食べれんよんなるよ〜」
と言われ、おまけに「ダシの素」までもらった。
さらに、しょっちゅう家に呼ばれご飯をごちそうになった。
生活費以外のお金は全て洋服と講習代に消えた。
「早く上手になりたい」という気持ちと「かっこいい美容師になりたい」ただそれだけにお金をかけた。
結局、何を削るかというと「食費」しか当時の僕には思い浮かばなかった。
「飯おごるよ」
と言われようモノなら1も2もなくついて行った。
デートの約束していても、おごってもらってから行った。
今思えば、そのころの人たちがいなかったら、今の僕はなかったかも しれない。
月末、お給料の話しをお客さんとしていて、
自分は月初めの5日なのに、
「おっ!もう給料日か!」
と、虎の子の千円をお金がある時に行く「トンカツ屋」に行って950円の「ヒレカツ定食」を食べ、
食べてる途中、トンカツ屋のおばちゃんが
「中西くん、珍しいねえ。月末に来るんわ。いっつもお給料出てつき始めらに来るのに」
忘れていた。
せめて、食べ終わってからにして欲しかった。
「あ〜美味しかったぁ〜!」
の後にして欲しかった。
急激に食欲が落ちた。
「おばちゃん、半分残すけえ、半額にしてくれん?」
という勇気は持ち合わせていなかった。
財布の中を見る。千円札と10円玉が数枚。
26日。後、約10日。100円に満たない所持金でどう過ごせと言うのだ?
食った気がしなかった。
気持ちばかり、ご飯とキャベツを残した。もちろんいつもは死ぬほどする、おかわりもしなかった。
でも、お会計は「950円」。
悪い事は続くモノで、友達からもらっている米も底をついていた。
冷蔵庫の中は・・・・
賞味期限切れのマヨネーズと氷だけだった。よく冷えていた。
記憶が確かなら、僕はスーパーで「お麩」を買った。1本10円だったl
とりあえず、4本買った。と思う。
それに味噌をつけて食べた。
辛くて食えなかった。
乾燥したお麩は上あごに張り付いて辛かった。
味噌をお湯でといてお麩をふやかした。
かさも増えてちょうどよかった。
よく、「学生時代に戻りたい!」という人がいるが、
僕はその後に来る貧困時代があるからぜったい戻りたくない。
というか、やりなおしたい程の人生は送ってこなかったつもりだ。
アヤコ、スーさん、ミヨちゃん、そしてみなさんと出会えて僕は本当に幸せなので、
そのときの苦労の上にこの幸せが乗っかってるから、よかったと思う。
山口百恵さんの「秋桜」という歌の歌詞で
「苦労はしても、笑い話に時が変えるよ心配いらない」
というのがあるが、よく言ったものだ。
戻りたくはないが、これから、どんな時代が来ても生き抜く生命力だけは自信があるもんね。