「ちゃんと片付けしてから次のもん、出しんさいよ!」
「うるさいのぉ〜、わかっとるよ〜〜」
なんでもお見通し。
心の中とこれからの自分の行動を見透かされているようだ。
「親の小言と茄子の花は千にひとつの無駄もない」
という言い習わしがあるが、まったくもってその通りである。
子供の頃は後先考えず行動していた。
仮に失敗しても
「なんでだろう??」
と立ち止まって考えたりしなかった。
典型的な「当たって砕けまくり」のタイプ。
周りや親から見ればただのおバカさん。
背の高さの比例して、子供の頃は視点も低くて狭い。
さっきまでトイレでウンコしていてお尻拭いてドア開けたらいきなり戦争の最前線。みたいなもんで
パンツも下げたままで武器はお尻を拭いていたトイレットペーパーのみ。
それでも必死で戦うんだよね。
視野の広い大人にしてみればそりゃ無謀ってすぐわかる。
「止めときなよ〜〜。勝てるわけないんだから〜〜」
「うるさいなぁ〜、やってみなきゃわかんねえだろぉ〜!」
いや、わかるよ。わかる。
目の前に防弾チョッキ着て機関銃持った敵がわんさかいるところにトイレットペーパー振り回してりゃ勝てるわけない。
せめてパンツでも上げておけとしか言いようがない。
そんな経験を何度も繰り返してきた。
こと、恋愛に関しても「当たって砕けまくってきた」タイプで、
人付き合いに関して言えばノープラン、ノーテクニック。
お客さんにだって素で接している。
「恋の駆け引き」など2手くらいで投了。
そんでもって碁盤をひっくり返す。
多分、その性格はまったく変わってない気がする。
もう小言を聞くこともないが、今になって素直に聞いておけばよかったと思うことはいくつかあるね。
ナスの花は結実する確率がとても高いんだそうだ。
Hanaの店先に植えているナスも次から次へと実がなってきた。
僕も少しは大人になってスーさんやミヨちゃん、そしてアヤコに小言を言う立場になってきたが、
親がそうしてくれたように根気よく丁寧に小言の花を咲かせようと思う。
そして彼らが無謀なことにチャレンジしようとしたら
「とりあえずパンツくらい上げておけよ。」
と温かく見守ってあげようと思う。