恵比寿に「蟻月」というもつ鍋屋さんがあります。
昔ほどではありませんが未だ、「芸能人が来る」と人気があって「予約が取れない」とよく言われてます。
Hanaから歩いて1分の場所にあります。
実は僕は予約をして行ったことは一度もありません。
噂によると「2週間前から予約しないと食べられない」と言われてますが、僕がいつも「2時間くらい前」です。
裏技かどうかは知らないけど、夕方、直接行って「だいたい○時くらいで空いたら電話下さい」と言っておけばその時間の前後に連絡してくれます。
それまで仕事したり、店でくつろいでそれから行きます。
僕の中でもつ鍋は「2週間前から予約する」ほどの位置にないもんで、あしからず。
先日、この店に行った。
お客は若い人ばかり。居酒屋みたい。
鍋のもつが無くなってうどんでも入れようかと一人前にしようか、二人前にしようかと生意気な店員のおねえちゃんに頼んでいたら首筋になにか当たった。
「ん?」
と首に手をやる。「なんかある」。
感触としては柔らかいんだけどフワフワしてない。取ろうとするとなんかチクッとした。
大きさは指でとれるくらい。
「なんだ?」
と目の前に持ってくる。
「やあ、こんにちは!青虫さん。なんか久しぶりだね。子供の頃、広島の田舎の畑かなんかで会ったっきりだっけ?あの頃は楽しかったなぁ〜。いや、オレね、今近所で美容室やってんだ。うん。頑張ったよ。いろいろあったけどね、友達にもお客さんにも恵まれて、なんとかやってんだ。あ、今度、車買うかも知れないからそしたらドライブでも行こうか?メアド教えておくから、とりあえず、今、君の大好きなキャベツを鍋に入れて食べてるところだから、また後でね・・・・」
などと考えてる場合ではなかったので床に投げつけた。
店員を呼んで
「これ、落ちてきたんだけど。」
と話すとお姉ちゃんは
「ヒヤッ!いきなりビックリ!」
と走り去ってしまう。
すると、もう一人おねえちゃんを連れてきて今度は二人でビックリ!
走り去ってしまう。
しばらくしてお兄ちゃんが来てお兄ちゃんもビックリ!
「もういいってばさ。」
リアクションを見せてくれるのがこの店のウリなのか?
お兄ちゃんが恐る恐る雑巾で虫を捕る。
そのまま消えていく。
そして平和が訪れた・・・・・・・・・・・・っておいっ!(`_`)ノ
「そのままかよっ!謝罪はどうした?うどんはどうしたっ!?」
お姉ちゃんを呼んで
「あの〜うどん頼んでるんですが・・・それとさっきの虫が・・・」
「あ、すいません!うどん、今、煮込んでます!」
そうか、そうか、うどんを煮込んでんだね。だから遅いんだ。そうだよね、五島うどんはコシがあるから煮込むのに時間がかかるよね・・・・・・・・っておいっ!(`_`)ノ
「そうじゃないだろ?虫落ちてきて客に当たってうどん煮込んでますじゃないだろっ?」
と聞くとお姉ちゃんはめんどくさそうに、裏に入っていって代わりにお兄ちゃんが来た。
「すいません、僕、女の子に『虫が落ちてる』ってだけ聞いたんでお客様に当たってるとは知らなかったんで・・・すいません。はい、すいません。」
怒る気にもなれなかった。
やがてうどんが来て鍋につっこまれたが鍋に浮いてるキャベツを見たらさっきの青虫を思い出してしまってどうにも箸が進まない。
食欲減退。
「帰ろうか」
の一言で席を立つ。
お会計を済ませ、不味いガムを渡され、店を出ようとしたとき
「今日は申し訳ありませんでした!」
の一言も無いので店長みたいなおっちゃんがいたから
「虫が落ちてきて・・・」
と話したら、
「あ、すいません。」
の一言。それより数人の団体が来ていてそれが気になってる様子。
もう二度とこののれんをくぐることは無いだろう。
トロもラーメンのこってりももつ鍋もそうだが、日本人はいつから脂が好きになったんだろうね。
まあ、店員が客を見下ろして裏から喋り声が聞こえてくるような店だからしょうがないか。