18歳から初めて早ン年。
これだけやれば「ベテラン」と呼ばれてもいいでしょう。
始めたばかりの頃は来る日も来る日も遅くまで残って練習してました。
「早く一人前になるんだ!」
と青春の殆どを仕事に捧げました。
そう言えば、いつ、一人前になったんだろう?
一通りの仕事が出来るようになって初めて自分のお客さんを担当したとき。
それでもまだ半人前。
技術に慣れてきて、指導する立場になっても半人前。
店長になって店を任されても半人前。
やっとの思いで、店を出しても、まだまだ・・・。
あれ?まだ、一人前になってないなオレ。
そんな半人前の僕ですが、後、3ヶ月で美容師を引退します。
みなさん、長い間、お世話になりました。
そして、
これからも、よろしくお願いします。
と、言うのは「そんなつもり」でやってる。と言うことです。
紛らわしい言い方をしてごめんなさい。
これだけ長くやってこれたということは、好きじゃなければできません。
僕はこの美容師という仕事が大好きです。
正直、引退するなんてことは考えたこともないし、出来れば一生やっていきたいくらいです。
でも、僕のようなベテランの一番の敵が「慣れ」です。
「慣れ」は新鮮さを失いますし、勢いや、緊張感、そして、こだわりが薄れます。
さらに一番の悪いところは「楽しくない」ということ。
「後3ヶ月で引退」
そう自分に言い聞かせ、今来てくれてるお客さんが自分の美容師として最後のお客さんだと思うと、自分の持ってる知識と技術の全てを捧げようと思います。手抜きや慣れは一切ありません。
そして、何がいいかと言うと、楽しい・・・。
ただ、毛先が傷んで揃えに来ただけの人にですら、そう思って仕事をすると楽しくてしょうがない。
そして、先頃、引退された落語の円楽師匠のように、自分に納得出来なくなって、引退を決意したときに「もっと真剣にやっときゃよかった」と後悔しないだけのいい仕事をしていきたいと思ってます。
そんなわけで、これからもよろしくお願いします。
おしまい。