「誰も私のことなんか解っちゃくれないのよっ!」
とテレビのドラマでよく聞く台詞です。
たいてい心になんらかの傷を負っていたり、辛くて悲しい体験をした人が言う台詞です。
実際、現実に聞いたこともあります。自分自身もそう思ったこともあるような気がします。
以前、17歳の男女が同じ理由でどちらかの親を殺したという悲惨な事件もありましたね。
その二人はお互いのことが理解できたんでしょうか?
僕は違うと思います。
お互いに「親に叱りつけられ嫌な思いをした」とかいう「共通の体験」があったとします。
その点だけにおいて「わかる、わかる。うちの親もそうだよ。」と「共感」してるだけでしょう。
「あそこのラーメン食べた?美味かったよね〜」
「うん、うん。美味かった!」
と変わらないことだと思います。
「負の連鎖」と言うのでしょうか。辛いことがあるとネガティブになり、さらに深みにはまっていきます。するとたいてい「同じパターン」で不幸を経験するのでそこに「共感」したりして
「彼は(彼女は)解ってくれるんだ!」
と勘違いしてしまうのかも知れません。
それでもそれとは違う部分では大きく価値観は違います。
同じ環境、同じ経験をしていくのは双子でも無理な話です。
ましてや、別の場所で生まれて別の行き方をしてたまたま出会った人たちに「解ってくれ!」というのがそもそもの間違いだと僕は思います。
そもそも「誰も私のことなんか解っちゃくれないのよっ!」と言う人は他人のことを解っているのでしょうか?
僕はそう言う人ほど他人のことは解らないと思います。それどころか自分のことで精一杯で他人のことなんかどうでもいいと思ってると思います。
自分が辛い体験をしてそれを解って貰うためには相手にもその辛い体験をしてもらって共感してもらうしかないのですが、それは恐ろしく身勝手なことです。
どうせならば幸せな体験をしてそれを共感して貰うべく相手にも幸せになって貰った方がいいとみなさんは思いませんか?
おしまい