6月13日、指揮者の岩城宏之さんがお亡くなりになりました。
以前
「命をかける」http://hairhana.exblog.jp/3011729/でもご紹介させて頂きましたが、奥様のお話によれば最後までタクトを振る動きをされていたそうです。
「ハッピーリタイア」という言葉がありますが、ある程度の高所得になって仕事を辞めて悠々自適な人生の後半を過ごすというモノ。
毎日あくせく働く僕なんか憧れますがいざそうなってみると出来ないような気がします。
忙しく働いた合間に梅雨の晴れ間のようなわずかな日差しを楽しむくらいの人生もいいのかもと思ったりもします。
岩城さんはそれ以上に周りに必要とされていたのでしょうね。
以前、産経新聞で「私の失敗は指揮者になったことかなぁ」と冗談交じりに話し、
「もともと大勢を仕切るタイプでない。ティンパニを続ければよかったかなあと思います。ただ打楽器奏者だととっくに定年退職してますけどね。そう考えると指揮者でよかったのかな。」
と続けた。
仕事というのは形はどうあれ自分以外の誰かを幸せにする技術を言うのかなあと思います。
出来れば自分じゃないと出来ない何かがあるといいね。
体調が悪くても辛くても休まず、常に高いクォリティを保ち続ける。
やりたい時だけ、やれるだけ、自分でなくてもかまわないのは「仕事」と言うよりは「作業」でしょうね。
僕も有り難いことに僕の仕事を必要としてくださる人たちに恵まれて人生を歩いています。僕がここまでリタイアせず横道にもそれず仕事が出来るのもみなさんのおかげだと思います。
岩城さんも聴衆の人たちがいて始めてタクトが振れるわけですからモノの大小は違っても大切なのは必要とされることかもしれませんね。
岩城さんのように何千人、何万人の人に必要とされる人はそうそういないと思いますが、僕を含め多くの人が必ず誰かに必要とされているはずです。
今やってる仕事がいつまで出来るかはわかりませんが、なんらかの形で誰かに必要とされて、願わくば一生「現役」でリタイアせずにいたいと思いました。
最後になりますが故岩城宏之氏のご冥福をお祈りします。
おしまい