「杞憂」(きゆう)という言葉があります。
簡単に言うと「取り越し苦労をすること」なのですが、最近、杞憂な人が増えています。
常に心配を抱えています。
一つ問題が解決しても次の心配をします。
「この人は心配をするのが趣味なのでは?」
と思ってしまうくらい心配事が絶えません。
このことはテレビやCM、広告が一役買っているのかも知れません。
「あなたの老後、大丈夫ですか?」
「病気になって入院したらどうしますか?」
の保険会社に始まり、
「このままじゃ太りますよ!」
「去年のスカートが入らない!」
等のダイエット系。
たけしさんの
「放っておくと大変なことになりますよ」
等の医療系。
挙げればきりがないくらい
僕たち人間には明日が解る能力がありません。
だから占いとかが商売として成り立つのでしょう。
天気予報などは「今」を知って「未来を予想する」学問ですから、ある意味占いもちゃんとした統計学に基づいてやればひとつの学問と呼べるかも知れません。
それでも天気予報だってはずれます。
雲一つ無い空を見上げて30分後に雨が降るなんて誰も思いません。
しかし、それでも6時間後、24時間後、数日後、さらに1年後までは予想できません。
あなたは1年後の雨を心配して傘の用意をしようとどうか悩みますか?1年後の雨のことを思って憂鬱になりますか?
人生だってそれと同じだと思います。
雨の日もあれば晴れるときもある。突然雨が降るときもある。そんな時のために傘を用意したり、それでも降ってくるときは雨を楽しむ知恵を僕たちは持っているはずです。
自分の思い通りにならない事や不幸に腹を立てたり、先の心配の杞憂はお天気に文句を言っているのと同じ事だと思いませんか?
昔、テニスプレイヤーのB.ボルグが言ってました。
「深刻なプレイはするな。真剣にプレイをしろ。」と。
でも、最近、雨降りすぎ。五月晴れはどこにいったんだ〜〜!!
ああ・・憂鬱・・・。
おしまい
***【杞憂】(きゆう)***
昔、杞の国のある男が、天が崩れ落ちてくるのではないかと心配し、食事ものどを通らず、夜も眠れずにいた。それを心配した友人が、『天は気が固まってできているので、絶対に崩れることはない。』といって安心させようとした。しかし男は、『それなら月や星が落ちてきたらどうなるのだろうか』とまた心配するため、再び友人は『月や星も気が固まっているだけなので、落ちてきても怪我一つしない』と説明し、ようやく杞の国の男を安心させた。
「杞憂」とは取り越し苦労をすること、無用の心配をすることをいい、杞人の憂(うれい)ともいいます