都内某所でトイレに行きました。
けっこう混み合っていて少し並びました。
小の方をしていると隣に「大きなノッポの古オヤジ」つまりおじいちゃんが並んできました。
彼は小をしながら便器に向かって、しきりに
「ぺっ!ぺっ!ぺっ!」
とツバを吐いてました。
口の中が乾くのでしょうか。
故郷広島のヤンキーを思い出しました。
すぐ隣でやられるのはあまり気持ちのいいものではなく、
「うっせぇ〜なぁ!」
と横目でチラリとしたとき、
ふと、
どこかで会ったような気がしました。
僕のおじいちゃんではありません。
僕のおじいちゃんは僕が中2の時に僕が中国5県の水泳大会で優勝して帰ってきた日に無くなりました。
もちろん、アイドルでもお笑いでもありません。
そのへんのおじいちゃんに無い、風格とオーラが出ていました。
僕の方が先に用を足して便器から離れ手洗いをしようと振り向いたときに、
明らかにトイレの列に並んでるわけでもない黒のスーツ姿の男性が目に入りました。
彼の耳からは黒いコードが下がってました。
耳からイカスミのタレがしたたってるわけではないのは僕にも解りました。
手を洗いながら頭の中で整理しました。
・黒服にイヤホン→がたいのいい身体→SP
・大きなおじいちゃん→オーラ→ロン→ヤス→中曽根康弘。
そう。彼は元総理大臣「中曽根康弘」さんその人でした。
あまりジロジロ見るのも怪しいので外に出ると同じようなSPらしき人が5人待ってました。
「おお。やっぱりだ。」
と心の中で思いました。
周りの人で気がついてる人は意外といませんでした。
芸能人ではないのでサインをせがむのもおかしいし、だからといって握手を求めるのも勇気がいりました。
通りすがりに背中とかバンバン!と叩いても良かったのですが猪木なら闘魂注入でびんたですむけど中曽根さんだとSPに取り押さえられてそのまま桜田門一直線のような気がしたのでやめました。
政治の表舞台から退いて今はあまり名前を聞かないけど、どっこい、このひとの影響力はかなりあると見た。
「老いてなおも盛ん」な彼のパワーにあやかりたいと思いました