(つづき)
「平成幽霊女学館」は無人のセンサー式のお化け屋敷。
ブロックごとに仕掛けがあって、センサーに触れると音が鳴ったり、仕掛けが動いたりして、客を驚かせるシステム。
「女学館」という響きに負けて入った僕は、今さら
「やめるは、オレ。んじゃ、後、よろしく」
というわけにもいかず、怖がる女の子に
「大丈夫、大丈夫。機械だよ、機械。怖がるなよぉ〜」
と、言いながら完全に腰が引けてました。
当然、先に進む勇気など、ひとかけらも持ち合わせていませんでした。
散々悩んだ挙げ句とった行動は、怖がる女の子の肩を支えながら、部屋に入る手前で
「大丈夫。大丈夫。」
といいつつ前に押して先にセンサーに触れさせて
「ぎゃぁ〜〜っ!」
と驚いてるときは僕は、少し、後ろを歩いていて、悲鳴と共に、さっと隣に移動。という、世にも汚い手を使ってしまいました。
「ぎゃぁ〜〜っ!」
「大丈夫、大丈夫。」
「ぎゃぁ〜〜っ!」
「大丈夫、大丈夫。怖がりだなぁ〜(笑)」
「ともさん、怖くないのぉ?」
「怖いわけないじゃん。作り物だよ、作り物。」
内心、それでも、早く出たくてしょうがない。
理科室、教員室、体育館と色んな部屋を回っていく。
それでも、なんとかやり過ごしていたんだけど、最後の部屋が難関だった。
最後の部屋は「トイレ」で、3つ扉があって、どれかひとつが外に繋がっていて、後2つは・・・
という部屋だった。
「私、だめ!絶対!ダメッ!ともさん、開いて!」
と言われても開けるわけがない。
悩んだ挙げ句僕のとった行動は、女の子の横に並び、ドアノブに手をかけ思いっきり開くのだが、自分は開いたドアの影に隠れて、女の子の真っ正面に仕掛けが現れる。
この世で、最も醜い行動に出た。
「ぎゃぁ〜〜っ!」
バタン!違う、違う・・
「ぎゃぁ〜〜っ!」
バタン!違う、違う・・
ふたつ、違えば、後のひとつは出口に繋がってる。
そこで初めて
「怖がりだなぁ〜まったく。付いて来な!もう。」
とドアを開けてスタスタ進む。
「ともさんて、スゴイねぇ〜。怖いモノなしだねぇ〜」
「お化け屋敷くらいでビビんなよぉ〜」
そして、しばらく経って、その話しを仲間内でご飯を食べに行ったときに、その話しを
「実は・・」
って話したら、その女の子にひとこと、
「さ・・さいてぇ〜・・・」
と吐き捨てるように言われた。
お化けは大嫌いです。
Qちゃんにしてください。
ちなみにQちゃんは卵から生まれました。
おしマイケル。
つか、嫌いにならないでください。