「ショートボブ」。
一見、シンプルで簡単そうなデザインですが、これほど美容師の技量が問われるデザインはありません。
さらに、ショートスタイルは、お客さんそれぞれの骨格や表情、そして、表現したいイメージをしっかり把握してカットしないと「似合うデザイン」にはなりません。
週末、忙しい時間をぬってやっと来れた美容室。
冬の間伸ばしてたけど、毛先が大分傷んできて、今回は思い切ってバッサリ短くしてもらおう。
夏だから、浴衣も着るよね。
汗もいっぱいかくから簡単に洗えて、ドライヤーする時間も短いほうがいいよね。
でも、子供っぽくなるのも嫌だから、ちょっとラインは前下りのシャープな感じにしようか。
夏はアイメイクもあまり載せられないから、眼力出すのに前髪も作ってね。
そんな感じでカットを進めていって、はい、いい女の出来上がり!♡
「うん、なかなか、いいじゃない?ワタシ♡」
せっかくだから、帰り道に可愛いワンピース買っちゃおうかしら〜♪
そんな感じでそれぞれが家路につき、新しい月曜日を迎えます。
そして、家に帰って旦那さんに、美容室の後に待ち合わせたBFに、週明けの月曜日、職場の上司や同僚の男性に・・・・
「おっ、髪の毛切ったんだ、金太郎さんみたいだね(半笑)」
全てぶち壊しです。
人は、特に男性は見たことのないものや見慣れないものを見た時、「自分の頭の引き出しに入ってる材料」の中から取り出してそれに当てはめて理解しようとします。
月を見て「うさぎの餅つき」に見えるあれです。
ましてや男性自身がショートボブにはしないのと、女性のヘアデザインのバリエーションに興味が無く、「できれば奥さん(彼女)にはストレートロングにしてほしい」願望が強かったりすると、引き出しの中に残ってるのは子供の頃読んだマンガや童話の挿絵のヘアデザインしか残ってないんでしょう。
普段から、奥さんや彼女のファッションに興味を持っていて、一緒にショッピングしたり、誕生日にはセンスのいいデザインのアクセサリーや洋服やバッグをプレゼントしてくれるオシャレな旦那さんや彼氏なら
「髪の毛切っちゃった。どう?♡」
って聞いてもいいですが、そうでない場合はとても危険です。毎日、コンビニ弁当ばかり食ってる人に有機栽培の新鮮野菜のサラダを美味しい岩塩で食べさせるようなもんです。
ましてや日本人男性は褒めるのが苦手です。そのくせお母さんに「〇〇くんはいい子でちゅね〜♡」と言われながら育ってきたので「自分が褒められるのは大好き」です。
職場の上司や同僚の男性が
「おっ、髪の毛切ったんだ、き・・・」
と言う前に
「いいです、それ以上言わなくても、セクハラになりますので仕事の話をしてください。」
とでも言っておきましょう。
「わかってない人の無神経な一言」は意外とダメージをくらいます。一度くらってしまうとけっこう後をひきます。
女友達や女子の同僚が
「え〜、いいじゃん!似合ってるぅ〜♡」
と褒めてくれても「金太郎・・・」が頭の中をリフレインします。なので、ヘアスタイルや洋服をイメチェンしたときは、先ずは「わかってる人」に会うようにしてください。
「作る側」からのささやかなお願いです。m(_ _)m#恵比寿 #美容室 #美容院 #ヘアーハナ
#中西トモミチ