昨今の「パンケーキブーム」にちょっとうんざりしていました。
原宿に行くとあちこちにパンケーキの看板が出ています。
まるで戦後の配給のように女の子が行列を作っています。
「パンケーキとホットケーキって何が違うの?」
と調べてみたら
【ホットケーキ】
小麦粉、卵、牛乳、砂糖などを混ぜて、フライパンで円形に焼いたもの。
【パンケーキ】
ホットケーキと比べて甘味をおさえ、食事に合うような品質に砂糖は使っておらず、水だけで作れるところも特徴。
とあります。
ホットケーキは「生地そのものを楽しむもの」でパンケーキは「トッピングを楽しむもの」なんですね。
ホットケーキの方が卵や牛乳を使っているので「材料費」がかかります。
パンケーキは基本『粉と水」なので、低予算で保存も効きますから下衆な話ですが、『儲け」も多いので、だからあれだけ参入するんですね。
何度かパンケーキにチャレンジしました。
関西発の分厚いパンケーキの店にも行きました。
ここはパンケーキ以前の問題で、店員さんがひどくて、水のおかわりを頼むとコップをテーブルに置いたままダバダバ注ぐ。
挙句の果てに、お客さんが来てカウンター越しに「窓際の席へどうぞ」と言ったまま放置して、その人が怒って「オーダーも来ないんで帰ります!」と席を立って、その時、オーナーらしき男性はフランチャイズの話をセンターテーブルで業者と話していて、ガン無視。
恵比寿の行列のできるパンケーキ屋もボリュームはあったのですが、味が単調で、半分でギブアップ。
さらに、その日から「スイーツバイキング」をしていて、来ている女の子のほとんどがテーブルをケーキで埋めて大好きな「チョコチョコ食い」をして、みんな帰るときのテーブルの上は大量の食べ残し。中には大きめのケーキを一口食べて終わりなのもありました。
もし、作ってる人が心を込めてひとつひとつ焼いたりしてたら、こんなことは絶対にしないと思います。
そんなことが何度か続いて僕の気持ちはパンケーキから世界の反対側まで離れていたのですが、たまたま見たテレビで「ホットケーキの美味しい店」と紹介されていたお店がありました。
外苑前にある古くて小さな喫茶店です。
行った時間が良かったのか、並ぶこともなく店内に入り、カウンターでコーヒーとホットケーキを注文しました。
コーヒーは深煎りのとても美味しいコーヒーでした。(流行りのサードウエーブコーヒーとは段違いです)
ホットケーキはフワフワでちょっと厚めのホットケーキでした。
添えてあったバターをヌリヌリしてると子供の頃を思い出しました。
子供の頃、母の焼いてくれる「ホットケーキ」が大好きでした。
当時はコンビニも無くて「ケーキ」を食べる機会なんて誕生日とクリスマスとお客さんが来たときくらいで、ホットケーキはそれはそれは僕甘くて、厚みのあるものにとって極上のデザートでした。
焼きたてのホットケーキにバターを載せてヌリヌリする時がなんとももどかしく、それでいて至福の時間でした。
バターを塗って上からシロップをかけます。
フォークとナイフで一口サイズに切り分けて、添えてある生クリームをチョコンとつけて食べます。
口の中から鼻に抜ける甘い香りがなんともいえません。
そして、食べ進めていくと、ホットケーキにメープルシロップが染みこんでいきます。
最後の方はホットケーキが崩れるくらい染み込んで、気がついたらお皿の上になにも残っていませんでした。
「これこれ!」
って感じでした。
帰りがけにホットケーキを焼いてくれた女の子がお会計をしてくれて、その時
「ごちそうさまでした。実は僕、パンケーキにうんざりしてたんです。でも、ここのホットケーキを食べて目が覚めました。本当に美味しかったです。」
とお礼を言いました。
すると、ケーキを焼いてる時は一度も表情を変えなかった彼女が満面の笑みで
「ホントですか?ありがとうございます。またお待ちしてます。(*^_^*)」
と本当にステキな笑顔で言ってくれました。
僕は「ホットケーキはここでしか食べない」と心に誓いました。(他のお店で見かけた時は別人だと思ってくださいね(笑))
【店舗情報】
珈琲専門店 香咲 (カサ)
東京都渋谷区神宮前3-41-1
03-3478-4281
平日:11:00~20:30(L.O.20:00)土日・祝日:13:00~18:00(L.O.17:30)
休:月曜日(祝日の場合は営業)
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