「髪の毛を黄色にしてください!」
ちょっと前に、僕が担当しているデザインの専門学校の女の子の紹介で、来てくれた子がサロンに来るなりこう言った。
以前、話したかもしれないが、おさらいでもう一度。人の肌の色は大まかに分けて3種類ある。ブルー系(以下B)、ピンク系(以下P)、グリーン系(以下G)である。これは「色の3原色赤・青・黄」とは違い、「光の3原色」と呼ばれるものだ。ようするに光が当たったとき、その人の肌が反射して発する光の色のことだ。それぞれの特徴は以下の通り。
B系→水分が多く、透明感のあるみずみずしい肌。10代に多い。
P系→柔らかく、ぽっちゃりして弾力のある肌。
G系→乾燥肌。硬い感じ。女優で言うと山口智子や、小泉今日子。
当然、年齢や健康状態とかでも変わってくる。10代→B、20〜30代→G、40代〜→Pといった具合で。
そして、これからメイクアップ始め、洋服選びまで影響する。大切なのは「何に合わせるか」と言うことだ。ベースを、「肌」にするのか、「髪の毛」にするのか、「服」にするのかそれとも、「好みの色」にするのかということだ。それぞれがちぐはぐだと、「お祭り」になってしまう。
例えば、「肌」がG系の人がいたとしよう。「肌」に合わせる場合、次のようになる。
「髪の毛」→マット系。
「服」→アースカラー系
イメージ→落ち着いた大人の女性。
必ずジャストではまる。だからといって、上記の組み合わせしかいけないのかというとそうではない。
僕自身は肌はB系だ。似合う色は、いわゆる「寒色系」と言われるブルーや、「原色」のビビットな色だ。逆に似合わないのは、「黄色系」のオレンジやサーモンピンクや、モスグリーンなどのマット系だ。
しかし、夏、僕はどうしても「オレンジ」を着たくなる。しかし、先ほども言ったように、僕の肌の色ではオレンジは合わない。顔色が悪くなり、くすんで見えてしまう。
そこで、僕は、日焼けをする。そうすることによって肌はG系になる。さらに髪の毛を「黄色系」にする。そして、洋服のオレンジも、なるべく彩度の高いオレンジにする。ここまでやってやっと「似合わせる」事が出来るのである。
文頭の「髪の毛を黄色にしてください!」といった女の子は、BよりのPの肌だった。当然黄色系は合わない。(P系の人が黄色にするとヤンキーになる)
先ほどの内容を説明してあげて「なんで黄色にしたいの?」と僕が聞くと彼女は「目立つから」と言った。当然、アンバランスなことをするわけだから、「髪の毛だけ」が浮いて目立つのは明らかだ。しかし、それは「彼女」ではなく「彼女の髪の毛」なのだ。
僕の中でのカテゴリーは、髪の毛はあくまでも額縁であるべきだと思っている。当然、その額縁にするのであれば、それに合わせた絵(顔)でなければ、髪の毛(額縁)だけが目立ってしまう。
よく、街を歩いて洋服や髪の毛やメイクのどれか一つ「だけ」目立っているのは、それが「似合ってない」から目立っているのだ。そう思って街の中や周りの人を見てみてください。
もちろん鏡に映る自分自身もね。
それでもわからないときはHanaに来てください。