今の子どもたちは、すごいですね〜。
塾に、スマホに、ゲームに、タブレットPCにインターネット。
僕の子供の頃に無かったモノのオンパレードです。
でも、逆に、今の子に無いモノが僕たちにはありました。それは「時間」です。
今の子は時間がありません。
学校に、塾に、習い事にスケジュールでいっぱいです。
夏休みも「夏期講習」で朝から晩までお勉強です。
本を読んで、ひとつの物語に「浸る時間」がありません。
読み終わったら、もう次にシフトチェンジです。
ネットで流れてくる情報も見たこと無いけどナイアガラの滝のように大量に溢れてきます。
それらの情報を深く掘り下げて考えたりあまりしません。
時にはツィッターの140文字だけの情報で全てが分かったような気になります。
実際に311の時に様々なデマがあたかも見たかのように拡散され混乱しました。
もうひとつ出来ないことは「想像力がない」ってことです。
想像力は「先を見る力」です。
先を見るというのは、今ある出来事を重ね合わせ積み重ねて、その先にあることを考えるということです。
いくらどれだけ多くの情報があっても、それを組み立てる経験と時間が無ければ、それはただの「今」でしかありません。
最近、ツィッターなどでアルバイトの学生が食洗機や冷蔵庫に入ってそれをアップして大騒ぎになって、訴訟問題や処分や個人情報までさらされているのにそれでも後を絶ちません。
「バカなのか?」
と思うでしょうが、そこまでの想像力が無いからだと僕は思います。
さらされたり、訴えられた人を見て同じように「バカだな〜こいつ」と思っても、自分と置き換えることが出来ないからだと思います。
僕たち美容師の仕事に一番必要なのはこの「想像力」です。
お客さんの髪の毛の悩み、気分、髪質、手持ちのワードローブ、ライフスタイルと様々な情報を聞き出して、その人のためだけの「Good Design」を作り上げるわけです。
しかし、想像力が無いと自分の引き出しの中にあるスタイルを引っ張り出して提供するしか有りません。
だから、「流行の美容室」であれば「流行のスタイル」をやればいいから楽ですね。
「いいデザイナー(美容師)」になるには、「受信」、「送信」ばかりせずに、時にはそれらから遠ざかって「想像」する時間も必要なのではないでしょうか。
【Imagine Live - John Lennon - 72】