「大好物って何?」
って聞かれたらみなさんだったらなんと答えますか?
僕は、一も二もなく「あんこ」です。
商品名に「〇〇あん」とか「あん〇〇」とか書いてあると、無条件で手が出ます。
バレンタインデーも「高級チョコレート」よりも「大福」とかの方が嬉しかったりします。
では「大好物な料理は?」だとどうでしょう。
僕の場合は
「すき焼き」です。
僕の子供の頃、「すき焼き」はいわば「ご馳走」でめったに食べられませんでした。(我が家だけかも知れませんが)
ましてや、我が家は母と二人の母子家庭なので、、基本、「鍋」は余ってしまうので、あまりやることがありませんでした。
それでも時々すき焼きだったりすると、なんだかワクワクしてましたね。
あのお砂糖と醤油の甘じょっぱい味と肉の味がなんとも大好きで、
脂身だって美味しく食べました。
すき焼きをすると、決まって母は
「肉、食べんさい。」
と僕の方に肉を寄せてくれます。
母はというと、豆腐やしらたきや野菜ばかり食べて肉にはあまり手を付けませんでした。
僕は
「母親は肉が嫌いなんだ」
とずっと思ってました。
当時はまだ「ベジタリアン」という言葉は無かったので、単に嫌いなんだと思ってました。
その後、18歳の時から一人暮らしをしていて、僕は広島、母は再婚して横浜だったので、すき焼きを一緒に食べることもありませんでした。
僕が大人になって働き出してから、一緒に外食した時に
「焼肉食べたい」
と母が言った時に
「あれ?肉嫌いなんじゃないん?」
と聞くと、あっさり
「好きよ」
と返って来ました。
そういうことだったんだと、有難い気持ちもありつつ、心の何処かで申し訳ない気持ちも感じました。
こうして、母の話を書くと、「マザコンだ」と言われたりもするのですが、僕にとって家族は母と犬のハナだけでしたから、家族のことを話すと、どうしても母しかいないので、そこのところは、大目に見てやってくださいね。
今では、肉も買えるし、すき焼きなんて簡単に作れるのですが、なんとなく僕にとって「特別」な食べ物なので、やはり、すき焼きは特別なときに食べたいなあなんて思ったりします。
なので、先日の誕生日に、ミヨちゃんとアヤコに
「なにがいいですか?」
と聞かれたのですき焼きをお願いしました。
当時の何倍もする高級なお肉とかでやったりするんですが、僕は、グラム100円くらいの安いお肉でも「すき焼き」になってれば、多分、「美味しい、美味しい」と言いながら食べるでしょう・
次のすき焼きがいつになるかわかりませんが、
また、食べられる日を夢見て頑張ろうと思います。
もし、母が生きていて、今ならば、柔らかい美味しい肉をかってあげて、僕が
「肉、たべんさい。」
と言ってあげられると思います。
おしまい