小学2年生のお孫さんを持つお客さんから聞いた話し。
その子が休み時間に校庭に出たら「ジャングルジム」のところに無数の黄色い物体がうごめいていたそうです。
よくよく見ると、それは「黄色い帽子を被った1年生」たちで、1学年3クラスの1年生全員が「ジャングルジムにしがみついていた」そうです。
彼らはジャングルジムで昇ったり降りたり鬼ごっこをしたりするわけでもなく「ただしがみついて」休み時間の20分間「そこにいるだけ」だそうです。
そして、その側には先生が一人、子供たちを「監視」しているそうです。
まるで黄色い鳥が集団で木の枝にとまってる。
とても異様な光景です。
なぜ、そんなことをするのかというと、「子どもの管理がしやすいから」だそうです。
「下手に遊ばれて怪我でもされると問題になるから」なのと、「ひとまとめにいると先生も楽」だからだそうです。
中にはジャングルジムを降りてどこかへ行こうとする子どももいるそうですが、そうすると監視をしている先生が「蹴りを入れる」マネをしてまた元に戻すそうです。
2年生のその子も「ドッジボール」をするのに「顔と足には当ててはいけない」というルールを先生にきつく押しつけられて「じゃあ、どこにあてりゃいいの?」と言ったら怒られたそうです。
鉄棒で勢いを付けてジャンプする「グライダー」も禁止。
とにかく「怪我をするかも知れない遊び」は全て
「禁止」だそうです。
この異常な背景には「親のクレーム」があるのでしょうか。
学校でちょっとでも怪我をすると、烈火の如く怒り狂い「訴えます!」くらいの勢いで怒鳴り込んでくる親もいると聞きます。
最近多い、学芸会での「全員桃太郎」や運動会でも「手を繋いでみんなでゴール」もそのせいかも知れません。
この学校は地域では「モデル校」と呼ばれる小学校で、なんのモデルなんでしょうか?
先生だって、親だって、子供の頃はいっぱい遊んで、転んで怪我をして、泣いて帰って、それでもまた明日になればケロッとしてみんなと遊ぶ。そんなもんじゃないですか。子どもなんて。
かく言う僕も小学5年生になるときに友達と「六虫」という遊びをしていて、勢い余って高さ数メートル落ちて足を骨折して入院しましたけど、退院して、松葉杖をつく僕をみんな優しく荷物を持ってくれたり手伝ってくれて、心の中で
「骨折って良かった〜オレ♡」
と思いました。
そして、ギプスも取れた頃は何事も無かったかのようにまたみんなで遊びました。
子どもの遊びは数え切れないくらい沢山あります。
さらに「自分たちでルールを変えて」オリジナルな遊びに変える「発想力」を子どもは持っています。
時には勢い余って怪我をすることもあるけど、そこでまた新たな「経験」をすると思うんですね。
そこで「これ以上やっちゃヤバイ」とか身をもって覚えていくもんです。
ガッツリ遊んでるから、骨も強くなるし、筋肉もつく。
さらにヘトヘトになるまで遊ぶから夜もグッスリ寝る。
ご飯もたくさん食べる。
イライラもストレスも溜まらない。
ジャングルジムにしがみつかせたり、教室で大人しく遊ばせたり、家に帰ると今度は塾にぶち込まれたり、いったいどこでストレスを発散できるんでしょうか?
もちろん、勉強も大いに必要です。それと同じくらい、いや、それ以上に身体も使わないと。
Hanaに「キッズカット」で来てくれてる子どもの中には「勉強も出来るし運動も出来る」子がけっこういます。
みんな楽しそうです
そんな子のお母さんも大らかでニコニコしています。
このまま行くと、子供たちはどうなるんでしょうか。
学校にいる間はカプセルに入れられて怪我もケンカもしないようになるのでしょうか?
もうちょっと「子どもを信じてみては」と僕は思うんですけどねえ。
おしまい