10年前、母が亡くなったとき、遺品を捨てること出来ず、母の住んでいた家の近くの倉庫を借りてそこにほとんどのものをぶち込んで、ついでに自分の荷物で季節モノ以外をここに入れるようにした。
引越をしたとき、横浜に借りている倉庫の整理もした。
その時、倉庫の奥のダンボール箱の中からひとつのぬいぐるみが出てきた。
覚えてる。
僕の人生で初めての「トモダチ」だった。
そのくせ名前は覚えていない。
「クマちゃん」だったか・・・
そうだ!「ベアー」だ!
小さい頃に母に買ってもらったんだろう。経緯は分からない。
でも、必ず部屋にこのベアーはいた。
抱いて寝てた記憶も無いが、極々あたりまえのように部屋にあった。
小学校に上がるときに「中西 ともみち」と自分の名前を覚えたときにベアーの足の裏にマジックで書いた。
ちゃんと、まだ残っている。
成長するに連れ、欲しいオモチャやモノは目まぐるしく変わる。
仮面ライダーの「変身ベルト」やパーマンの「P」のバッヂやマジンガーZの「超合金」、ミクロマンにGIジョー。
子どもは飽きっぽいから次のオモチャが出たら、すぐにそれに飛びついて、それまで遊んでいたオモチャは「タンスの肥やし」。
年に1度のお掃除に母親が処分。
でもこのベアーだけはなぜかここにいる。
よく観ると鼻が取れている。
今度つけてあげよう。
ベアーは僕が覚えていない僕のことまで知ってる。
かけっこより、障害物競走が得意だったことも、
奥田えまちゃんと原上くりえちゃんのどっちが好きか悩んでたことも、
オネショしてたことも。
ずっとずっと側にいてくれたんだね。
しょうがないな〜
また、これからもよろしく頼むよ。ね
今日のアーティストはオランダ出身のシンガー、Trijntje Oosterhuis(トラインチャ・オーステルハイス)。
Traincha(トレインチャ)の愛称で親しまれてます。
PopにはじまりR&B,Latin,Jazz, Acousticまで幅広く歌いこなします。
曲はあの「カーペンターズ」の名曲、「Close to you」。
この曲をTrainchaが歌うと、絶妙な「間」の取り方で、全然違う曲に聞こえます。
Jazzの「溜め」なんでしょうかねえ。
DIVAの優しい声に包まれながら、しばらくベアーと昔話でもするかな。
「Close to you」は「あなたの側にいる」。
「Trijntje Oosterhuis "Close To You"」h
ttp://youtu.be/--NZrNTPdyY