「人差し指の第一関節を曲げて、先を尖らせて、それを左脇腹に押し込んでグリグリグリグリ♪やられてる感じ。」
死ぬかと思った・・・マジで。
仕事が終わって、店の片付けも済んで、帰る前にトイレに入ったときに悲劇は始まった。
「いでっ!いでででででで!!!」
「イタイ!」ではなく「イデッ!」と濁音なのだ。
「さっき食ったカレーかな?いや、その後食ったケーキ?」
ちょうど、片付けながら点けたテレビで「中村勘三郎さん」のニュースをやっていて、
「胃がん?オレが?宮迫さんもだし、え?とうとう来た?オレ、保険入ってたっけ?てことは手術?入院?何日?明日の予約はどうだっけ?あ、引越もしなきゃ。どうしよう?えっと〜貯金、あったよね?・・・」
一瞬でいろんなことを考えた。
ミヨちゃんの声が遠くから聞こえる
「トモさん!大丈夫ですか?」
いや、どう見ても大丈夫じゃない。
「痛いのは右ですか?左ですか?」
右?左?右ってどっちだっけ?
言葉に出来ない。
どんな体制を取っても痛い。仰向けもダメ。うつ伏せもダメ。逆立ち・・・はもっとダメ。
ミヨちゃんが機転を利かせて救急車を呼んでくれた。
「年齢は・・症状は・・・」
ヒアリングはいいから、早く来てくれ!!
「今、目黒通りを・・・」
え?つか、救急車って、ガーデンプレイスの前に消防署あんじゃん!(`_`)ノなんで、目黒通りから来るんだよっ!
救急車到着。
乗り込む。
「お名前は?生年月日は?どの辺が痛みますか?」
ただそれだけに答えるのがこれほど苦痛だったことは自分の人生ではかつて無い。
救急車スタート!!・・・・・・しない・・・。
「今、病院に確認取ってますからね。」
「受け入れ拒否」で亡くなった方の気持ちがちょっとだけ解った。
ああ、これで、終わったらどうしよう。つか、何でもいいからこの痛みどうにかしてくれ!
「はい、相当痛がって、七転八倒しています。」
そうか、これがそうか。
「今から、病院に向かいますからね。もう少しの辛抱ですからね。」
近くの厚生中央病院に運ばれた。
ストレッチャーに乗せられ救急治療室へ。
いろいろ聞かれる、
心電図を取る。脈拍も取る。痛みもついでに取ってくれ〜〜〜!!
痛み止めの点滴を打ってくれる、
マスク越しの看護師さんが天使に見える。
みんなこれにやられるんだな。
惚れてまうやろぉ・・・・・♡
頭の中でボケてみる。
内科のお医者さんが
「多分、"尿管結石"です。この後、レントゲン撮って、トイレでおしっこ摂って調べますからね」
車イスを用意してくれた。
病人としてのテンションがあがる。
しかし、レントゲンを撮るくらいになると、だんだん痛みが引いてくる。
撮り終わる頃には、なんか、もうふつ〜〜。
看護師さんが車イスを押してくれる。次はトイレ。
オシッコを採る。
「ジョボジョボジョボジョボ〜〜〜♪コロン!」
オシッコの中に小さなハナクソくらいの石が出た。
これが"結石"だそうだ。
点滴が終わるまでに血液検査の結果が出る、
特に尿結石が出来やすい体質ではないらしい。
良かった、良かった。
このくらいの歳はかかりやすい病気だそうだ。
水分をいっぱい摂るといいらしい。
これが大きいモノだと手術や超音波で直すそうだ。
点滴が終わる頃にはもう、何事もなかったかのように楽になっていた。
それより気になったのが、カーテン越しの隣のベッドの患者が"ノロウイルス"だと言われてた事。
もう、そっちが怖かった。
薬も処方されることなく、病院を後にした。
ミヨちゃんが付き添ってくれた。ありがとう。
僕が七転八倒中に嫁のアヤコに電話を掛けてくれたらしいが繋がらなかったそうだ。
とりあえず、店に戻って荷物を取って、家に付くと、案の定、アヤコは爆睡中。(-_-)゜zzz…
部屋着に着替えていたら、帰って来たのに気づいたのか、寝ぼけながら
「お・・おかえりなさい・・・お疲れ様でした・・・・。」
ああ、疲れたよ。
明日の朝、話すことにした。
みなさんもご自愛ください。
最後に、心配して下さったみなさん、そして、ミヨちゃん、ご心配かけて済みませんでした。
そして、本当にありがとうございました。
心強かったです。