今日も「美容師っぽく」シャンプーのお話し。
最近よく聞く「シリコンシャンプー」。
そもそも、みなさんシリコンシャンプーってなんだか知ってますか?
薬局やスーパーで売られている「市販シャンプー」の主成分は石油から作られてるってことはご存じですか?
先日お話しした洗浄成分の「合成界面活性剤」は
「鉱物系由来の合成界面活性剤」と呼ばれる親油部が石油の原油を精製し、
ガソリン、灯油、軽油、重油、ナフサ、コールタールなど、 利用価値の高い成分を抜き取って「最後に残った廃油」と呼ばれる安価な油でできています。
これらは「台所用洗剤」とまったく同じ基剤です。
想像してみて下さい。台所用洗剤で髪の毛を洗ったところを。
「ギシギシ!」
どころの騒ぎではないことは容易に想像つきますね。
だから、
「コーティング剤」を添加するしかないんですね。
髪の毛をコーティングして艶を出したり滑らかにしてくれるので市販のシャンプーやリンスには欠かせない成分になります。
そのコーティング剤のひとつが「シリコン」だったりするわけです。
「石油系」のシャンプーは「石油」と言ってしまうとイメージが悪いので「天然成分」という言葉によく置き換えられます。
石油は間違いなく「天然成分」ですから。
言葉のからくりって怖いですね〜。
他にも「高級アルコール系」とかもあります。
アルコール系シャンプーに配合されている界面活性剤は動物性や植物性の油脂から作られていて、洗浄力が強くなります。
この「高級」の本当の意味は「高品質」とか「高価」ではなくて、「炭素数が多い」ことを示す言葉です。
この炭素数が多いほど泡立ちが良く洗浄力もアップします。
そのため、皮脂を「落としすぎて」しまい、皮脂の持ってる「皮膚のバリア機能」を壊してしまい、カユミやフケや臭いの原因になります。
もちろん、髪の毛もギシギシになります。
【まとめ】
石油系、アルコール系、どちらも髪の毛や頭皮にとってダメージを与えてしまいます。
それをカバー(隠す)ために「シリコン」をはじめ「コーティング剤」が使われます。
コーティング剤は、先日お話しした通り、頭皮をべとつかせ、キューティクルを剥がしてしまうので、もちろんオススメできません。
シリコンはそれ自体に毒性はないし、医療用にも使われているぐらいです。
シャンプーやトリートメントに含まれるシリコンは、髪の表面をコーティングして見た目や手触りをよくしますが
それだけです。しかし髪にとっては良くないのです。一時的な手触りをよくするだけなのです。
シリコンは、キューティクルに吸着しますが、キューティクルが剥がれ落ちた髪には吸着しません。
つまり、傷んでいない健康髪にしか吸着しないのです。
傷んでいない健康な髪でも使っていくうちにシリコンが蓄積すると髪の内部に栄養が行き届かなくなり、髪が硬くなったり、まっすぐならずうねったり
カラーリングやパーマもうまく入らなくなります。
また、シリコンは頭皮の毛穴を詰まらせる原因にもなり、髪が育つのを阻害してしまいます。
特に女性で「抜け毛がひどい、薄毛に悩んでいる」方は、毎日朝晩シャンプーしたりしてヘアケアに熱心なあまりシリコンで毛穴を詰まらせていることという悪循環になっていることもあるんです。
もちろん、先日お話しした通り、「ノンシリコン」を歌って「別のコーティング剤」の入ってるシャンプーも出回ってますから。(基本、市販品はコーティング剤無しでは使えない)うかつに手を出さないように気をつけましょう。
よく聞かれる質問で
「じゃあ、スーパーとかで売ってるシャンプーだったらどれがいいの?」
というのがあります。
答えは
「ありません。」
理由はここで話したとおりです。
本当にいいものであれば美容室でも使ってるはずでしょ?
(シャンプーの裏に表示されてるので見てみてください。)
《石油系シャンプー・高級アルコールシャンプー成分》
表示は、「ラウリル硫酸~」「ラウレス硫酸~」「アルキル硫酸~」「パレス硫酸」「硫酸塩ラウレス」等最初についています。
《シリコンの成分》
成分にジメチコン、ジメチコンコポリオール、フェニルトリメチコン、シクロメチコン、シリカ、アモジメチコン、シロキ、シロンなど例え成分名の一部だったとしても、それがシリコンになります。
「〜硫酸」、「○○コン」には気をつけましょうね。
おしまい