この日、年間の2割のチョコレートが消費されるそうです。
「そんなんお菓子業界の戦略やんけ!」
と解っていながらも、ノッてしまう。
国民性なんでしょうね。
つか、「告白の日」じゃなかったのか?
これじゃあ「チョコ渡す日」じゃないか。
と、思いながらお隣のケーキ屋さんのレジに並ぶ女性の群れを横目で見ながら、頂いたチョコレートを美味しく頬張ってます。
うん、美味いね。最近のチョコは。
でも、その分、濃厚なので1個食べたら少しインターバル置かないと苦しい。
ついでに深入りの珈琲ヨロシク!
口直しの、これまたお客さんに頂いた北海道産の「さきいか」が美味い。
「バレンタイン」なんて、いつからだったんだろう?
覚えてるのは中学生の時、大好きな女の子からもらったチョコが食べるのがもったいなくてずっと机の上に飾ってたら、いつのまにか白くなって分離してカピカピになって悲しい思いをしたのを覚えてる。
そして、いつだか「ホワイトデー」とか意味不明な「デー」に「マシュマロかクッキーを送る」とか聞かされて、当時の僕には「マシュマロ」というお菓子の存在が頭の中の広辞苑に記されてなかったので、クッキーを「作る」ことにした。
元々、料理が苦手で、お菓子作りなどとんと見たことのない母親に作り方だけ教わって作ったので、それはもう、惨憺たるモノでした。
生地を丸めてオーブンに入れてしばし待つ。
焼け具合が中途半端なのでもう一度入れる。
その時、よせばいいのに「ジャンプ」とか読んだりする。
男の脳はひとつ事に集中すると他のことが頭から抜け出てしまう。
しかし、五感は働いている。
「ん?なんだか焦げ臭いぞ?」
マンガから目を上げるとそこにはオーブンのふたの隙間から立ちこめる煙・・・・
すかさず、もう一度マンガに目を落とす。
「なかったこと」にならないのは、さっきより「焦げ臭さ」が増してるってこと。
とりあえず、マンガを置いて、立ちこめる煙の中、まるでNYのファイアーマンのように勇敢に立ち向かう。
少し、
「かっこいいな、オレ・・・」
とか思って見る。
オーブンのタイマーを左に回す。
「チン!♪」
情けない音が響く。
オーブンのふたを開けた瞬間、まるで安物の手品のショーみたいに煙が「ボワッ!」と出る。
ここでハトでも飛び出てくれば拍手喝采なんだけど、
その時点で僕は「パテシエ」から「炭職人」にジョブチェンジ。
目の前のアミの上に「炭化」した「元クッキー」が哀れにも煙を出している。
とりあえず、お皿の上に救出してみる。
「カサッ♪」
なんか軽い。
見事な「炭」だった。
とりあえず、手にとってナイフで焦げた部分をこそぎ落としてみる。
直径5cmくらいあったクッキーが「ボーロ」サイズになる。
側が真っ黒なのでとりあえず「こげ茶」程度で「よし」にしてみる。
「クンクン・・」
臭いを嗅いで見るもさっきから立ちこめる煙の臭いで嗅覚も麻痺してしまっている。
直径1cmの小さなボーロが5〜6個あったように覚えている。
とりあえず、それを袋に入れてみる。
当然、「クッキー」を入れる為に用意した袋なので、まるで「お父さんの背広を着た赤ちゃん」のようにゆとりがあり過ぎる。
持った感じも袋の重さとあまり変わらない。
しかし、再度挑戦する気力も残ってないので、そのまま渡すことに。
前日に作ったのか、当日に作ったのか記憶が定かではないが、彼女に手渡したとき
「え〜っ!ホンマにトモくんが作ってくれたんね〜!嬉しい〜!♡」
そのリアクションが悲しかった。
「開けてみてええ?」
ダメとも言えず、開けた袋の中は、さらにボーロが粉になるくらい袋の中でぶつかり合って粉砕されていた。
入れたときの原形をとどめていたのはわずか2個くらいだったと思う。
もう、お菓子の最後の「カス」みたいな感じで、袋を逆さに口の中に流し込んで食べた方がいいんじゃないかと思った。
「どう?」
とも聞けず、黙ってたら
「・・・・香ばしいね・・・」
とストレートな感想が帰ってきた。そうだよな、そりゃそうだ。香ばしい。
「トモくん、大変だったじゃろ?」
「・・うん・・・」(台所の臭い消すのが・・。)
あれ以来、料理はかなりするので、そこそこの腕前だと思うが、「お菓子作り」には手を出していない。
かなり、トラウマだったんだろう。一度もない。
なので、お菓子はレディーにおまかせ。
今日は各地でいろんなロマンチックが生まれてるんだろうか??
そして2個目のチョコに手を伸ばす・・・・・
おしまい。
(写真はミヨちゃんが作ってくれたチョコ。本命チョコは誰の手に??)