テレビを観てると"芦田愛菜ちゃん"と"鈴木福くん"のどちらかを見ないときがありません。
いや〜可愛いですね。二人とも。小さくて。
あんなに"小さいのに"しっかりした受け答え。
あんなに"小さいのに"あの気遣いと笑顔。
バラエティに出てると、必ず登場したとき、会場から
「カワイィ〜〜!!!」
と黄色い声援がわき起こります。
日本人は"小さくてカワイイ"が好きですからねえ。
目の前の"小さくてカワイイ生き物"が可愛い仕草や行動をします。
テレビを通じて微笑みかけます。
顔を「クシャッ」としながら笑います。
大人のインタビュワーが
「撮影は楽しいですか?」
「う〜〜ん・・・・わかんない・・・・」
などと期待はずれの事は言いません。
明るい笑顔で
「はい!楽しいです!みなさん、とっても楽しいんですよぉ〜〜!」
と期待通りに答えてくれる。
芦田愛菜ちゃんなんか、CM12本も出てて、大人ならその後ろに見え隠れする「ギャラ」が気になります。
普通、子供なんて、「アレが欲しい、コレが欲しい」と金がかかってばかりです。
なんの生産能力もありません。
それが、普通の大人の何倍もの稼ぎがあるとなると、お母さん、たまりません。
さらに、予定調和のような受け答え。
もう"いい子"のお手本みたいです。
もちろん、当人やそのお母さんは並々ならぬ努力をしてらっしゃるんでしょう。
加えて、学校との両立や、労働基準法とのタイトなスケジュール調整。
「うらやましい」だけでは済まされない大変さがあるのでしょうが、もちろん、テレビではそんなものは伝わりません。
だからお母さんの中には「第二の芦田愛菜ちゃん」を目指して子供に猛特訓をさせる親もいるみたいです。
もちろん、子供は子供で親以上に少ない情報量でキレイなとこしか見えませんし、想像も付きませんから
「芦田愛菜ちゃんになりた〜い!」
と言います。
先日、テレビで、そういった"タレント予備軍"の親子の特集をしていましたが、
中には子供の衣装代だけで月35万円も使ってるというのもいました。
子供に至っては、髪の毛にはエクステ、ネイルアート、つけまつげと、もうお母さんの着せ替え人形状態。
インタビューで
「本人も喜んでやってますんで〜〜!」
少年がヒーローに憧れるように、女の子はプリンセスに憧れます。
キラキラのドレスに、フワフワカール。
パッチリお目々に、ピカピカアクセサリー。
なによりも周りの大勢の人に「カワイイ〜〜!」って言ってもらえること。
でもそれは時々、後楽園とか言って「ナントカレンジャーショー」を見た後で「なりきり写真館」みたいなところで、ヒーローの服を着て親と一緒に写真を撮るくらいの頻度でいいと思います。
だって、"子供"ですから。
女の子は、お母さんに内緒で、こっそり鏡台に向かってお母さんの口紅をはみ出るくらいつけて「ギャハハッ!」と笑うくらいが丁度いいと思います。
だって"子供"だから。
「子供だって、○○したいんだもぉ〜〜ん!!」
はそれを売りたい企業側の言ってることで、それがいいとは限りません。
大人っぽい格好は大人になってやればいいと思います。
大人になってからでも遅くないからです。
つか、大人になるとやらなければいけないからです。
頭や顔にいろいろつけて、ファンデーションで毛穴を塞いで、
ハイヒールでふくらはぎや関節に負担を掛けて、
大人でいなければいけないときが必ずくるからです。
どろんこをつけたり、暴れて服を破ったり、
跳んだり、跳ねたり、転んだり、
子供の時にしかできない"スタイル"がいっぱいあるからです。
カワイイやキレイを作る立場の人間から言わせてもらうと、
瑞々しくて、そのまま切って食べたら美味しいフレッシュなトマトを
いろんな食材と一緒に煮込んでいるようなものです。
フレッシュな時期はあっという間に過ぎていきます。
特に10代までの人生の鮮度はあっという間に劣化していきます。
大人のエゴで大人の理想を子供に押しつけないであげて欲しいと思います。
よく、ドラマで、子役が大人を慰めたり、長台詞を言って感動させるシーンとかありますが、
そんなことを言う子供なんていませんから。
子供は少ないボキャブラリーでは自分の気持ちを伝えることができないから、
一生懸命、行動や表情で訴えます。
それは、それは、何度も何度も、しっかり見て理解しようとしないと伝わらないシグナルだったりします。
子供は大人の為に自分にウソをつくこともあるからです。
いろんなもので子供を包んで、本当の子供の姿が見えなくならないよう、
しっかり見てあげるのが大人の仕事だと僕は思います。
なので、Hanaの「平日1000円」の子供カットでも、大人と同様に手抜きをせずにその子のカワイイとカッコイイを引き出してあげています。
その時にヒーローやプリンセスにしてあげてください。
クロスをはずした後は
「カワイイ〜〜!」
「カッコイイ〜〜!」
と言ってあげてください。
僕もガンバリます。
おしまい